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隣人は何を思う
【ホラー その他小説】

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ゆあの肝試し-4

サメは急に私の両肩を掴む。
力が強い。

ゆあ「な、なに?」
サメ「…」

笑顔が急に真顔になって、サメは私をじっと見つめる。
やだ、そんな…照れるじゃな〜い♪
なんて軽口が叩けない。怖い。
目がね、異常なの。怖い。

ゆあ「痛いから、ちょ、離せバカ」
サメ「…」

ってか、何か言って。せめて何か言って。
本当に怖い。私を見てるようで見てないその目が…本当に怖い。
私はひっぱたいた。サメの左頬を思いっきり。
パァンッっつってすんごい音。
やり過ぎたかって思ったけど、離さないの、サメ。
強いのよ。
んで、顔がどんどん近付いてくる。
なにそれ?キスする気?マジで?私のこと好きだったの?
私もーーって、ふざけろこのサメ野郎!
もう一回ひっぱたいた。
でも怯まない。ぜんっぜん効かない。

結果、押し倒された。
サメに。
うおおおとか言うの。私は必死に抵抗して、とりあえず殴ったりした。
グーでw
そしたらごろごろって転がって痛がってんの。
その隙に逃げました。
サメを置いてw


したらね、トンネル見えた。
私はそのままトンネル入って、抜けて、もう一つのトンネルも入って、やっと出口に着いた。
皆がわぁって集まってきてね。

まり「大丈夫だったの!?」
なな「心配したんだよ!」

とかって私を囲むわけ。
私は安心したのね。とりあえず。
だからサメのこともあったけどとりあえずそれは言わずに大丈夫とだけ言ったの。

まり「本当に良かった」
なな「でも早く帰ってきて良かったよ」

…は?

トド「うん、それでも20分は凄いよ」

20分?…嘘だ。そんな短いはずは無い。
だって社まで行くのに片道でそれくらいだ。有り得ない。

カメ「そうだね、20分は凄い。しかも一人だし」

一人?サメが…

サメ「やるじゃんゆあ、一人とかマジ無謀だね」



私は多分、この時一番顔が青ざめたはずだ。

何故、時間が20分に縮んでいる?
何故、私一人で行ったことになってる?
そして何故、サメがここにいる?

いくら考えても分からなかった。
私は皆の前でぺたりと座りこんだ。
何が何だか分からない。


車まで戻り、私達はそのまま家に向かった。
車の中で皆談笑している。
私はぼうっとしていた。
サメが心配して話しかけてきた。

サメ「おいゆあ大丈夫か?幽霊でも見たか?」

そんなことを言ってきた。
私は適当にうんとかううんとか返事してた。

サメ「まぁ、ゆっくり休め寝てていいぞ」
ゆあ「…うん」

私は少し眠ることにした。
考えても仕方ない。今は頭が混乱してる。まともに考えても答えは出ないだろう。
そう思って、私はまぶたを閉じる。
その前に、何となくサメに目を向けた。


サメの左頬には手形がくっきりと付いていた。


私はもう寝ることしかできなかった。




終わり


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