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夕焼けの窓辺
【その他 官能小説】

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第6話-29

―――それから、圭輔の布団の中で2人一緒に横になった。狭いが、窮屈さは感じなかった。むしろ、その距離が互いに嬉しくもあった。
「あの、さっきはごめんなさい。その…」
英里は言いにくそうに口ごもった。先程の、情緒不安定な自分の理性に反した行動をどう言い繕えばいいものか。
「謝らなくていいって。…あんな風に英里から襲われるのもたまにはいいな」
重苦しい雰囲気に戻してしまわないよう、圭輔はわざとおちゃらけてそう言った。
「…っ、ばかっ!」
その思惑通り、英里は頬を赤らめて、顔を背けた。彼は苦笑を漏らしながら、
「でも嬉しかったよ。英里から、あんまり求めてくれないから」
「……圭輔さん」
「何?」
「あの、ここにお世話になっている間、どうして私を…」
微かに引っ掛かっていた疑問。どうして、私の事を一度も抱こうとしなかったんだろう、と尋ねたかったが、恥ずかしくて口に出せなかった。何か他に良い言い回しがないか考えていると、
「だってさ、ここでは嫌なんだろ?」
「え?」
「声、聞かれるからって。ほんとは、結構きつかったけど」
それに、体が目的で泊まる事を勧めたと思われたくなかったので、自制していたという理由もあった。
少し、拗ねたようにそう言う彼の様子に、英里は思わず吹き出してしまった。
「あはは…っ」
よく彼女は友人から律義だと言われるが、彼も負けず劣らず義理堅いようで、それが何だかおかしかった。
ほんのちょっと前まで悲しみに支配されていた反動か、何でもない事が、普段以上におかしく感じられて、堪えようと思えば思うほど、笑いが込み上げてくる。
そんな彼女の様子を、圭輔は隣で怪訝そうに見つめていた。
「…違うんです、圭輔さんのそういうところ、大好きだなぁって思って」
ようやく笑いが収まってきて、英里は微笑みを向けた。
「それは、どうも。…でも、それ裏切っちゃうかもよ?」
どういう意味…、英里はそう言おうとしたところ、突然圭輔に唇を塞がれた。
「英里が許してくれるなら、俺はさっきの続き、したいって思ってんだけど」
急に、穏やかだった彼の顔が一変して、英里を求める引き締まった表情になる。
どうする?と、耳元でそっと囁かれて、英里の肌が熱くなる。
「…許す」
どくどくと、うるさく高鳴る鼓動を抑えながら、英里はそう呟いた。


着ていたパジャマも、まだしっとりと濡れていた下着も全て脱ぎ捨て、英里は一糸纏わぬ姿になった。
先程とは状況が違う。自分が自分でないような、一種のトランス状態だったのだ。今は、恥ずかしくて堪らない。鼓動が早すぎて、息苦しいくらいだ。
さっきみたいにして見せて、そう言われた時は冗談かと思っていたが、英里を見つめる圭輔の炯々とした瞳の輝きには、そんな隙など一分もなかった。
また、彼の体に膝立ちに跨って、片手は胸に、もう片方は陰部に添えると、ぎこちない動きでそれぞれに手を動かし始めた。まだ、体は快感の余韻を覚えていた。
さっきまではあんなに優しかったのに、今はこんなに意地悪だ。
元々自分でもあまり1人でした事がなく、彼の目が気になって、大胆に動かせない。淡い快楽がどんどんと体内に蓄積していくようで、もどかしい。
もう、許して…、そんな視線を彼に送っても、まだ終わらせてくれそうになかった。
目を伏せて、指先で堅くしこった乳首を摘み、秘洞に指を2本指し込むと、英里は体をしならせた。
暗闇の中で、じっと、彼の双眸が英里の淫らな様子を視姦する。悦楽に浸る表情を、くねる細い腰を、揺れる乳房を…
圭輔の視線を感じるだけで、英里の秘部から自然に蜜が溢れ、しとどに内腿を濡らしていった。
受け入れる準備は十分できているのに。自分の指だけでは到底足りなかった。
「圭輔さん、早く、欲しい…」
英里は喘ぎ声交じりに、懇願した。
「…欲しいんなら、自分で挿れて」
扇情的な英里の姿に、既に圭輔も滾る欲望を持て余していたが、彼女を挑発するかのように、口角を上げて、そう言った。
英里は頭の片隅で、そんな彼の態度がやはり意地悪だと思っていたが、口に出す余裕がなかった。体が、彼を求めてやまない。早く、この隙間を埋めたい。
そそり立った彼の肉棒に、自らの淫裂を擦り付けて愛液を塗すと、一気に腰を落とした。
「あぁぁっ…!」
自分の指とはまるで違う質量に圧迫されて、英里はつい高い声を上げてしまったが、慌てて口を手で覆った。
もう丑三つ時に近い時間なのに、大きな声を上げてはいけない。しかし、甘美な快楽に、そんな意識は流されてしまいそうになる。
英里はゆっくり腰を上げて、おずおずと動き始めると、圭輔は黒い茂みに隠された肉蕾を探り当てると、そっと指を宛がった。
びくりと、英里は大きく体を戦慄かせた。
圭輔は、一切指を動かさない。だが、英里が腰を浮かす度に、宛がった指が膨らんだ花芯に擦れて、鋭い快感を齎した。
何とかその指から逃れようと、腰を揺するが、彼の指は的確にそこを突いてくる。
「やぁっ…指、離して…っ、声が…」
少しでも気を抜いた途端、高い矯声が漏れてしまいそうで、英里は必死に喉で声を押し殺した。
下から身悶える様子を面白そうに眺めていた圭輔に、離してくれるはずはないと思いながらも、そう訴えた。
「だって、英里が自分で動いてるんだろ」
「ち、違…う…」
英里は恥ずかしそうに首を左右に振るが、圭輔が少し指を引くと、いつの間にかより強く彼の指が当たる位置まで腰が勝手に動いてしまう。恥骨を擦り付けるように、彼の指が与える快楽を求めていた。
「もう深夜だから、少しぐらい声出しても寝てるだろうし、平気だろ」
「…っ!」
その言葉に、英里は吹っ切れたかのように、腰を前後に動かした。敏感な突起に宛がっただけの彼の指が、その動きに合わせて激しく擦れて、包皮からすっかり膨れた実が露出し、より深い快感を英里に与えた。


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