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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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決着-9

「言えるわけないでしょ、せっかく沙織に彼氏ができたのに。……でもさ、後悔してないの?」


「……そりゃ少しはな。でも、時間が経つと吹っ切れるもんだよ。今は沙織のことは純粋にいい友達だと思ってるし、倫平と付き合って本当によかったって思ってる。これは、本心だからな」


土橋修は顔を赤くしながらもまっすぐ私を見据えた。


多分、コイツの言葉に嘘は無さそうだ。


「……じゃあ、沙織のこと吹っ切るために郁美と付き合ったわけじゃないのね?」


さっきまでニヤニヤしていた私も、郁美の名前を出すことは少し怖かった。


こないだ土橋修が怒ったときの様子を思い出したからだ。


それでも私は、土橋修が郁美に連絡したのかどうかがずっと引っかかっていた。


彼は少し口を尖らせてジッと地面を見つめて、


「……郁美はそういうつもりで付き合ったんじゃねえんだ」


とボソッと呟くと、貧乏ゆすりも止めて黙り込んだ。


なんとなく重くなった空気に、聞かなきゃよかったかな、と少し後悔の念が湧き上がる。


「……あれから郁美に電話した。ずっと泣いてたけど、やり直すつもりはないって説明して、なんとかわかってもらったよ。あいつには悪いことした」


土橋修は、そう言うとベンチから立ち上がって空を仰いだ。


その神妙な顔つきに、じゃあどういうつもりで付き合ったのか聞きたくなったけど、結局何も言えないまま、彼の横顔をぼんやり眺めていた。




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