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サノバ・ビッチ
【レイプ 官能小説】

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再会-1



「自分には他人(ひと)より劣っている部分がある」

そうはっきりと自覚してしまった時、人は何か別のものでその穴を埋め、なんとか精神のバランスを保とうとする。

それが、容姿や成績や運動神経など、自分の見た目や能力の問題ならば、ある程度の努力やごまかしで、なんとかやり過ごすことは出来る。


しかし例えばそれが、家や、家族や、両親に関わるような───つまりは、自分の力ではどうにもならないようなことだった場合───。


その強烈なコンプレックスに打ち勝つために、人は乱暴な言葉を吐いたり、周りに暴力をふるったりすることで、どうにか己のプライドを守ろうとする。


こうして全力で愚かな虚勢を張ることで、そいつは今日も細々と呼吸し、なんとか生き長らえていくことが出来るのだ。



────────



中学に入ると、俺と同じように片親がいない生徒が学年に何人かずつは存在していた。


そいつらは皆、「そうしなければならない」とあらかじめ決められていたかのように、「順調に」不良になっていった。


教師に反抗的な態度をとり、授業をサボり、体育館の裏でタバコを吸い、ゲーセンにたむろした。


俺も父親に捨てられ自暴自棄になった時期があるから、そいつらの気持ちはわからないでもない。


恐らくその中に入ることは簡単だっただろうし、そこに入ってしまえば、ある程度面白おかしい学生生活を送れたのかもしれないと思う。


しかし、俺はもう、そうはならなかった。



「俺をゴミのように捨てた親父を必ず見返してやる」───。


それが、13歳になったばかりの俺が初めて抱いた人生の野望だった。


そのために俺は人一倍勉強したし、高校に入ってからは金を稼ぐために年齢をごまかしてアルバイトも始めた。


母親は相変わらずの生活だったが、俺はこの女に対して前ほどの嫌悪感を抱かなくなっていた。


母親だけがけがらわしいのではなく、女はみんな「ただのメス」なのだと思うことで、俺は随分気が楽になった。


───いや。


そう思い込むことで、俺は自分の中にこみあげてくる母親への反抗心を、必死でごまかしていたのだと思う。


心の中では強烈な嫌悪感を抱きながらも、俺は最後まで母親を邪険に扱うことは出来なかった。



反抗すれば、母親にまで捨てられるかもしれない───。


俺はいつも、そんな強迫観念にとらわれていたのだ。


────────


女を見下し軽蔑することしか出来ない俺にとって、「恋愛」という青臭い感情は、ほとんど意味を持たなくなっていた。

こんな屈折した俺にでも、付き合いたいとか好きだとか言ってくる物好きな女は多少いたが、俺はみんながしたがるような「男女交際」には全く興味がなかった。

だからまず見てくれが気にいらない女ははなから相手にしなかったし、顔や身体がそこそこイイと思う女とはセックスだけの関係を持った。


幼い頃に知ってしまった性的興奮と快感。

あの麻薬のような蜜の味を、一匹の獰猛なオスへと成長した俺の肉体が、猛烈に欲しているのがはっきりと自覚出来た。

それは理性とは無関係な、本能の切実な叫びだった。


女は嫌いだがセックスはしたい。
この相反する感情の狭間で、俺は歪んだ欲望をいつも鬱積させていた。


女は俺にとってただの玩具であり、セックスはそれを使ったゲームにすぎない。


どうせゲームをやるならば、少しでもスリリングで面白いほうがいいに決まっている。


その頃の俺は、そんなふうに思っていた。



俺は、母親の「仕事部屋」のタンスに隠してあったバイブレーターや手枷を持ち出して、それらを使うようになった。

初めて母親の部屋でそれを見つけた時、俺にはもはやショックも嫌悪感もなかった。

俺の中で母親は、完全にそういう存在に成り下がってしまっていたのだろう。

俺に言い寄ってきた女たちは、初めて経験するセックスという行為と、俺の与えるアブノーマルな快楽に、誰もがあっと言う間に溺れていった。


俺は相手を変えて何人もの女とセックスし、図書館で露出させたり、会議中の職員室の前でオナニーさせたりと、かなり過激な羞恥プレイも実行した。

そんな付き合い方をすれば怒り出す女もいるだろうと思っていたのだが、不思議なことに誰一人文句は言わなかった。

川瀬昭彦と付きあっている女が、そういう目にあわされた────。

そういう噂が流れるようになると、奇妙なことに俺に近づいてくる女の数は逆に増えていった。


女とは実に浅ましく、愚かな生き物だという思いが、俺の中でますます強くなっていった。





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