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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第7話-8

 2部リーグの覇者を決める試合の推移は、以下のようになっていた。

  双葉大|060|100|
  東稜大|500|100|

 スコアボードを見るだけなら、幾分落ち着きの欠いた展開であるのだろうが、3回以降は締まった試合となっていた。
 初回に5点を奪ったものの、2回に6点を取られ、まさかの逆転を喫した東稜大は、バッテリーを入れ替えていた。それが功を奏したものか、以後の双葉大の猛攻を何とかしのぎ、大量失点は何とか防いでいた。
 雄太と桜子がバッテリーを組む双葉大も、初回以降は打たせて取るピッチングをさらに突き詰め、不運な当たりによる失点こそあったが、初回の大量失点が嘘のように、東稜大を封じ込めていた。
 次の1点が、試合の趨勢を決める。双葉大が突き放すか、東稜大が追いつくか。

 ギンッ! 

「おおっ!」
 7回の表。二塁打と盗塁によって三塁に達した大和を塁上に、打順が廻ってきた桜子は、ツーエンドツーのカウントから外角に投じられた直球を叩き、高々と外野フライを打ち上げた。
「ホームイン!」
 充分すぎるほどの犠牲フライであった。
「桜子、ナイスバッティング!」
 自身はアウトになったが、それでも一塁ベースを踏んでから戻ってきた桜子を、大和が出迎えた。桜子は眩い笑顔でそれに応え、大和とハイタッチを交わしていた。
 これで双葉大は、東稜大学を相手に2点の差をつけることができた。終盤に入る中で、大きな1点を奪ったのである。
「………」
 だが、勝利の女神はまだ、その気まぐれを起こしていた。
 7回の裏の東稜大学の攻撃は、先頭打者がフルカウントの末に四球を選び、ノーアウトで出塁を決めた。どうしてもストレートで振り切れず、カーブを最後に投じたのだが、それが外角低めに外れてしまったのだ。
 次打者は送りバント。2点差でありながら、手堅い攻撃でまずは二塁に走者を進めてきた。
 その次の打者は、7番だった。6点を挙げた東稜大の打線において、唯一無安打だった打者なのだが…。

 キンッ!

「あっ…!」
 インコースのストレートを強く打ち払われ、雄太の足元をその打球が通り過ぎ、そのままセンター前へと抜けていった。
「セーフ!」
 センターの栄村が懸命に返球を行ったが、クロスプレーにもならず、相手走者はホームを駆け抜けて行った。
「………」
 雄太の顔は渋い。どうにも振り切れないこの試合の難しさを、痛感しているのだろう。さすがに東稜大は2部最強といわれるチームである。
 加えて、これまでの試合からは想像もつかないほどの球数を投じている。
 彼にとって、生命線とも言うべきコントロールが乱れがちになっているは、疲労の度合いが高いことを周囲に伝えていた。


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