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僕の魔王討伐史
【コメディ 官能小説】

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魔王討伐史-4

 それに何の特技もない僕が何か役に立てるようなことってあるのかな?
「ああ。それか、それは後で分かることだ」
「後でってどれくらいなんでしょうか?」
「詳しい時間は分かんないけど、夜じゃないかな〜?」
「よ、夜ですか!?」
「はい。勇者様には夜に一仕事してもらいます」
 夜に一仕事って一体、どんな仕事をさせられるのだろうか? しかも勇者でしか……僕
にしか出来ない仕事って何かあったかな?
 うーん、僕が何も知らないだけで何か特殊な仕事があるんだろう。でも、あまり遅くな
るのは嫌だな……遅くなったら寝る時間も少なくなってしまうし。
「そこまで心配しなくてもいいですよ。何も危険なことをしてもらうわけではないので」
「まぁ、ある意味危険だったり〜?」
「えぇっ!?」
 ちょ、どっちなんですか!? 危険なんですか? それとも安全なんですか!?
「あまり勇者を煽るようなことを言うな。それよりも次の町に向かうぞ」
「「はーい」」
「……はい」
 僕の心に一抹の不安を残しながら次の町へと向かうことになった。
 その道中、何度か魔物に襲われたけど三人がサクサクッと魔物を退治していった。なん
ていうか、三人のレベルとここに現れる魔物のレベルが合っていない感じがする。
 未だに余裕で戦っているし、きっと実力の半分も出してないんだろうなぁ。
 そして特に苦労をすることもなく次の町へと着いたわけだけど――
「雑魚ばかりだったが、数が多くて町に到着するのが遅れてしまったな」
 そう愚痴を漏らす戦士さんだけど、かすり傷すら追っていない。ほんと、戦士さんは鬼
神のごとき強さだったよ。
「そうですね。随分と陽が傾いてしまいましたね」
 勿論僧侶さんもかすり傷一つ追っていない。
「うへ〜歩き疲れちった」
 そして魔法使いさんも。しかも魔法使いさんに至ってはあまり魔法すら使っていない。
 基本的に戦士さん一人で敵を倒していっていたからね。なんというか、この三人は本当
に勇者のパーティーって感じだよ。それに引き換え僕は――ただ後ろで観戦しているだけ
で何もしていない。この町で夜に特別な仕事があるらしいけど、それで何とか僕の存在意
義を見出さないといけないね。
「よし、早速宿に泊まろうか」
「だね〜。宿に泊まって疲れを取ろう〜♪」
「まぁ……逆に疲れが溜まるかもしれませんけどね……」
 僧侶さんが何やら意味深な視線を僕に送ってくる。ほんと、僕はこの町で何をさせられ
てしまうのだろうか?
「では、時間ももう遅いので各自、自分の部屋でくつろぐとしましょうか。町の探索や買
い物は明日でいいでしょう」
「そうだな。今日はもう寝るとしよう」
「にへへ〜♪ 楽しい夜が迎えられるといいね〜♪」
「それでは勇者様。お休みなさいませ」
「お休み勇者」
「勇ちゃん、お休み〜♪ たぶん誰かが後で起こしにいくからね〜♪」
「あ、はい。僕の仕事ですね。それで、えっと……そろそろ仕事の内容を教えてくれませんかね?」
 何回聞いてもまったく教えてくれない。僕も旅の疲れがあるからすぐに寝てしまうだろ
うけど、出来ることなら何の不安もなく眠りたいんだよね。
「秘密だよん♪ じゃあね〜」
 三人がそれぞれ自分の部屋へと戻る。皆が魔物を倒しまくり、更にはこれまでお金を使
っていなかったから随分とお金に余裕がある。それぞれが違う部屋に寝泊りをするだなん
て贅沢を出来るほどに。
 結局、仕事の内容を教えてもらうことは出来なかったけど、とりあえず寝よう。寝て、
旅の疲れを取らないと仕事に支障をきたすからね。可能な限り疲れをとって…………

「……しゃ。……ゆ……勇者」
「ん、んぅ……っ」
「起きろ勇者。そろそろ時間だぞ」
 ゆさゆさと僕の身体を揺さぶりながら誰かが声をかけている。この声は確か……
「……せ、戦士さん?」
 鎧をつけてないラフな格好をしている戦士さんが僕の目の前にいた。
「やっと起きたか。随分とぐっすり眠っていたが、初めての旅は疲れたか?」
「あ、はい……全然戦ってなんかいないのに、物凄く疲れました」
 肉体的だけではなく精神的にも疲れてしまった。初めての体験が多すぎてほんとに疲れた。
 それに魔物に会うたびにドキドキして心労が溜まってたしね。
「えっと、確か僕専用の仕事でしたよね……?」
 三人が頑なに教えてくれなかった謎の仕事。その仕事をする時間になったようだ。
「そろそろ何の仕事をするか教えてくれてもいいですよね?」
「ああ。教えてやる。その身体にみっちりとな……♪」
「え、ちょ……戦士さん!?」
 戦士さんが僕のベッドの上にあがりこんでくる。四つんばいのような状態で段々と僕に
近づいてくる戦士さん。鎧をつけてなくてラフな格好をしているから、戦士さんの大きな
胸が大胆に視界に入ってくる。
「勇者。お前の特別な仕事はな――あたし達の性的欲求の解消だ」
「え……? 性的欲求?」
「そうだ。あたし達だって普通の人間だからな性欲ってものはある。しかし、そこら辺に
いる適当な男で性欲を解消したいとは思わない。だからその役目を勇者にやってもらいたいんだ」
「な、何で僕が……?」
 僕達はまだ知り合って一日しか経っていないんですよ? 戦士さんの言っていたそこら
辺の適当な男と同じじゃ――
「それは、あたし達が勇者を一目で気に入ったからさ。それに勇者は自分のことを悲観的
に見すぎだな。お前は自分で思っている以上に魅力的な男だぞ」
 そう言って、僕の手を握ってくる戦士さん。
「あの、えっと、その……」
「大丈夫だ。あたしに全て任せてもらえばいい。あたしの言う通りにすれば勇者も気持ち
よくなれるはずだ」
「あ、あぁ、あ……」
「勇者はあたし達が嫌いか?」


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