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僕の魔王討伐史
【コメディ 官能小説】

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魔王討伐史-32

 結局、何が言いたいのかといえば、生きててよかったってことだよ!
 ほんと、マジで死ぬかと思ったんだよ? あんなに大量の精子を出したのは生まれて初めてだよ。
 一人づつを相手するのなら、ギリギリでどうにかなっていたけど、三人同時はさすがに
無理がありすぎた。本当にいつ死んでしまってもおかしくないほどに。
 それでも一応、死ぬことなく朝日を拝むことが出来た。それは素直に嬉しく思うよ。
 だから今はとにかく……
「寝よ……」
 不眠不休でのセックスはさすがにヤバいって。
 僕は全裸のまま、その場に横たわり深い眠りへとついた。

「起きろ。さっさと起きろ!」
「ん、んぅ……」
「勇者! さっさと起きて出発の準備をしろ!」
「え、ぁ……」
 えっと……今、何時だ? 僕はどれくらい眠っていたのだろうか?
「勇者様。あまり惰眠を貪ってますと日が暮れてしまいますよ?」
「そうだよ〜。お昼前には出発しないと夜の暗闇を歩かないといけなくなるよ〜?」
 辺りを見回して時間を確認する――って、まだお昼前じゃないか! 確か僕が寝たのが
朝の七時くらいだから……三時間ほどしか眠っていないことになる。
「あ、あの……出発を明日にズラすことは出来ないでしょうか?」
 こんな足腰がフラフラで眠気も強い状態で旅に出るだなんて無謀すぎる。せめてもう少
し体調が回復しないとまともに歩けないよ。
「構いませんがあまりこの町に長居するわけにもいきませんよ?」
「勇ちゃんはこの町に思い入れがあるのかな〜?」
 いえ、違いますよ。あなた達のせいでまともに身体が動かないんですってば。
 てか、何であなた達は、毎回毎回そんなに元気いっぱいなんですか? 僕ほどではない
にしろ、それなりに疲れているはずなのに物凄く元気なんですけど。
「勇者は軟弱だな」
「……すいません」
 軟弱でも怠け者でもいいので、今日は休ませてくださいお願いします。勿論、セックス
も休ませてくださいね。これでセックスをしてしまったら意味がないですからね。
 無駄に疲れが溜まってしまうので、今日のところは大人しくしててくださいよ。
 今回は何もせずにただただ休息をする日。誰にも縛られず身体を休める素敵な時間なんだ。
 三人に軽く謝罪をして僕は再び深い眠りへとつく。
 一日ぐっすりと眠って身体を可能な限り回復させるんだ!
 宿屋の気持ちのいいベッドでぐっすりと――――

「――って、思っていたのにいくら何でもこれは酷いよ!」
 三人に襲われることはなく、身体はある程度回復をした。そこまではよかったんだけど……
「お前か……お前があの憎き勇者の息子か……」
「あ、あの……あなたは……?」
 もの凄いオーラを身に纏った魔物が目の前にいる。しかも辺りを見渡すと僕が意識を手
放したあの町の宿屋じゃなくて、変に雰囲気のある古城のような場所にいるようだ。
 ベッドだけはあの宿屋のベッドみたいだけど、それ以外は見たこともない場所だ。
 あまり考えたくはないんだけど……この人って――
「妾はお前の父親に一度倒された魔王じゃ」
 や、やっぱりーっ! この人魔王だったよ! しかも過去にお父さんが倒した魔王って……
「妾はあの男に屈辱を受け、暫く活動をすることもままらなかったのじゃが、ようやく力
も回復し復讐をしてやろうと思ったら、その息子が妾の所に来るとは実に僥倖じゃな」
 い、いや……僕は好きでこの場に来たわけじゃ――って、そういえばあの三人は!?
「キョロキョロとして探しておるのは、コイツラか?」
 魔王が指を指した先に居たのは、牢屋に囚われた僕の大切な仲間だった。
「え、えっ!? 何で三人が捕まって!?」
「てへ〜、ごめんね勇ちゃん。魔王に捕まっちゃった♪」
「あたし達で余裕で勝てると思ったんだけどな、さすが魔王だ。死にはしなかったが勝てなかったよ」
「申し訳ございません勇者様……」
 それぞれ謝罪の言葉を述べる三人。しかし、今僕が聞きたいのはそんな言葉じゃなくて――
「な、何で僕達は魔王の所に居るんですか!?」
 これである。あの町から魔王のいる場所。ここまでかなりの距離があるはずだ。それを
どうやって移動したんだ? 僕は一日しか寝ていないはずなのに。その間に移動出来る距離なのか?
「勇者様は一つだけ勘違いをしてます。勇者様が眠っていたのは一日だけではないですよ」
「え……?」
「実は勇ちゃんは三日ほど眠っていたです♪」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
 み、三日だって!? 僕はあれから三日間も眠り続けていたというのか!? いや、あ
んだけ激しかったんだ。三日くらいは軽く寝てしまうか。
「魔法使いが特別に調合した薬を嗅がせて寝かせてたんだけどな」
「なに――っ!?」
 僕は無理やり三日間も眠らされていたの!? 何で!? 何のために!?
「それは面倒なイベントをカットするためです」
「…………は?」
「本来ならば通らなければならないイベントの数々、その数々をカットするために勇者様
には三日ほど眠ってもらいました」
「眠ってもらいましたって……」
 そんな適当でいいのだろうか? こういうのは色んな町や場所に行って、魔王を倒すた
めの武器や防具を集めてきたりするもんじゃ――
「今までたくさんカットしてきたんだから、これも問題ないかな〜って♪」
「問題ありまくりですよ!」
 だって、その結果が三人が捕まってしまうという所にある以上、問題しかなかったんですよ。
「あと、スルーしてましたけど、あの町から三日ほどで着く距離なんですか!?」
 寝ずに歩き続けたとしても、そこまで遠くまではいけないはずだ。しかも僕とベッドを
一緒に移動させるというのならなお更。
「あたし達に不可能はないのさ」


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