投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

僕の魔王討伐史
【コメディ 官能小説】

僕の魔王討伐史の最初へ 僕の魔王討伐史 14 僕の魔王討伐史 16 僕の魔王討伐史の最後へ

魔王討伐史-15

「二人ともおはよ。昨日は激しかったな」
「二人ともおはー♪ 隣のわたし達の部屋にまで喘ぎ声が聞こえてきてたよ」
 ……どうやら、報告をするとかしないとかの問題ではなかったようだ。声が二人に筒抜
けになっていたとは、あまりにも予想外だよ。
「あら、聞こえていたんですね♪」
「聞こえてたっつーか、聞こえるような声で喘いでたろ?」
「それに激しく動いてたねー♪」
「それは気のせいですよ。ですが……隣まで声が聞こえてたというのなら、それは勇者様
のせいですね。あんな素敵なおチンポで中を突かれたら、誰だって大きな声をあげてしまいますよ。
 それは戦士さんもよく分かっているのでは?」
「……まぁ、な。確かに勇者のチンコは凄いモノがあるからな」
「う〜いいなぁ。早くわたしも勇ちゃんのおちんちん欲しいよ〜」
 公衆の場でチンコの話をしている三人。魔王を倒そうとしているパーティーがチンコの
話をするのは止めましょうよ。なんだか聞いていて悲しくなってきますって。
「あ、あの……そろそろ出発しませんか?」
 あまりこの場に長居したくはない。チンコの話ばかりしているから、この宿屋の店主が
変な人達を見るような目で僕達のことを見ているんだよ。早くあの視線から解放されたいんだ。
「そうだな。サクッと次の町にいこうか」
「ええ。距離としては大して遠くないので、すぐに着くと思いますよ」
「それじゃ、次の町に向けてレッツ・ゴー!」
 勢いよく元気に出発をした三人。僕はその三人の後ろを必死に付いていく。
 そしてついに次の町に――

「毎度、道程をカットするのは分かってましたが、さすがに今回はどうなんでしょ?」
 次の町に行くには広めの川を渡らないといけないのだけど、その川を渡るための橋が壊れているのだ。
「サクッと次の町へと行きたかったんですけどね、川を渡れないのは困りましたね」
「根性で泳いでいくか?」
「別にそれでも構わないけど、勇ちゃんがいるからね〜無理はさせられないよ」
 魔法使いさんが僕を気遣うような発言をする。だけど、僕だって男なんだ。川の一つや
二つ、根性で渡るくらいわけない。
「ぼ、僕は泳いで渡ってもいいと思いますけど――」
「ダメだよ。こんな所で体力を使ったら、勇ちゃんがエッチに耐えられないよ。わたし達
の体力が尽きるまで勇ちゃんにはエッチに付き合ってもらわないといけないんだから、こ
んなことで体力の消耗はさせたくないな〜」
「…………」
 魔法使いさんは、別に僕のことを想って発言したわけではなかったようだ。自分達の欲
求を満たすために……出来るだけセックスを長く出来るように余計な体力を使わせないよ
うにしたいらしい。
 ――べ、別に泣いてなんかないからね! 全然心配されてなくて悲しいとか思ってないから!
「勇ちゃんが変な顔をしてるけど……それよりも、これどうするの? 一旦、さっきの町に戻る?」
「……そうですね、一度戻って何か対策を立てた方がいいかもしれませんね」
「最悪、違うルートを通るって方法もあるけどな」
「でもそれだと、かなりの距離を歩くことになりますよ?」
「野宿は確実に避けられないね〜♪」
「でも、ここで黙って待っているわけにもいかないだろ。とりあえず今日は戻って色々と
準備をして違うルートを通る方が懸命じゃないか?」
「……戦士さんの言う通りかもしれませんね。一度戻って旅の準備をして、明日また町を
目指して旅をした方がいいですね」
「じゃあ、明日はこのメンバーで初の野宿なんだね〜♪」
「勇者様。そういうことになりますが、よろしいですか?」
「あ、はい。僕もそれでいいと思います」
 川を泳いで渡ることが出来ないのなら、野宿を覚悟して他のルートを通るしかないもんね。
「勇者も納得したことだし、一旦町に戻るか」
「「「おー」」」

 ――と、いうわけでさっきと同じようにサクッと町に戻ってきたわけなんだけど……
 この町に戻ってきたということは、またあの宿屋に泊まるってことだよね? 今朝、も
の凄く変な目で見られていたっていうのに、またあそこを利用しないといけないとはね。
 宿の予約をしたら、変な目で見られるんだろうなぁ……変な客が戻ってきたと。
 まぁ、それでもこの町には宿屋はここしかないから利用するしかないんだけどね。
「あの、宿の予約をしたいんですけど」
「…………」
 えっ!? 無視ですか!? 完全な不審者としてこの宿を使わせないつもりですか!?
「……ん」
「え……?」
 スッと、差し出される台帳。あぁ、不審がられてるけど一応宿を利用していいみたいだ。
 店主に差し出された台帳にサインをし、宿屋から一旦出る。
「あそこの店主、昨日と比べて無愛想じゃなかったですか?」
「そうだな、確かに妙だったな」
「いやいや、わたし達に見惚れててたんでしょ〜♪」
「「なるほど」」
 魔法使いさんの言葉にアッサリと納得する二人。いやいやいや、何普通に納得してるん
ですか!? 確かに三人共見惚れるほど綺麗ですけど、その理由は違いますからね。
 絶対に早朝のチンコの会話のせいですからね。


僕の魔王討伐史の最初へ 僕の魔王討伐史 14 僕の魔王討伐史 16 僕の魔王討伐史の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前