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妖精トム・ソーヤの繁活
【ファンタジー 官能小説】

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田海マリア-2

田海マリアはトムが胸に飛び込んで来たのを抱きしめた。もうそうなったら、相手が子供でも自分を止めることができなかった。
病室に鍵がかかっていなくて、いつ看護師が入ってくるか分からない状況なのに、もうそんなことはどうでも良いという気分になるのだ。
大人になると社会的なさまざまなルールに縛られている。それが常識として染み付いて分別が働く。だがこの匂いはそういう分別や常識など、自然本来の自分を縛るものから解き放してくれるようなのだ。
マリアは着ていた病衣を脱ぎ捨てた。下着もすべて……そして羞恥心も……。
トムの着ている学芸会の衣装のようなものも全部剥ぎ取った。
お互い素っ裸になって新たに抱きしめると、全身がゾクゾクゾクと込み上げてくる喜悦に震えた。
マリアはトムの全身をキスした。そして可愛いペニスにも……。
「坊やのウィンナーを食べちゃうぞ」
「あっ、マリアさん……それは駄目……あっ……あっ……ぁあぁぁぁあ」
「うぐっ……もう出ちゃったのね」
「駄目です。それをマリアさんのあそこに出さないと、治せないよ」
「あっ……そうかあ。でも大丈夫。まだ出るよ、きっと」
そういうとマリアはベッドに横たわると、トムのペニスを自分の膣に導き入れた。
「ほら動かしてみて。あら、上手ね。初めてじゃないみたい」
「ぼく……早いから……もう……出る……ぁあぁあ」
「ぅふう……はぁあん……あっ……出たのね」
「うん……抜いても良い?」
「良いよ……本当はもう少し入れていてほしいけれど。抜いて」
トムが離れて服を着始めると、匂いがしなくなり、田海マリアは急に恥ずかしくなった。
「わたし……なんてことを……」
「大丈夫です。マリアさん。夜になったら夢を見ます。その夢の教えてくれることを聞いていれば、安心しますよ」
そういう謎の言葉を残して妖精トム・ソーヤは立ち去った。しかも、ふっと消えるように……。
その後看護師が薬を持って来たが、飲んでも抗癌剤は吐き出した。また、点滴や注射の針は何故か血管に刺さらなかった。
その晩、全身のあちこちが真っ赤に熱した針を刺すような熱さと痛みを感じた。
そして、末期の乳癌だった彼女の右の乳房の中に熱い塊があって、一晩中燃え続けるような感覚が続いた。
ろくに眠れなかった彼女は熱さや痛みが治まったのでぐっすりと眠った。そしてまる3日間眠り続けて目覚めた時は、実に清清しかった。
出された病院食では足りなくて無断で外出して腹いっぱい食べた。
体には力が漲り、全身がぽかぽか温かい。声に張りがあり、やたらと楽しくなって近くの病室に行ってお喋りしたり、詰め所に行って看護師に冗談を言ったりして迷惑がられた。
とうとう主治医が怒って検査室に引きずって行って再検査すると、末期癌は跡形もなく消えていたという。
即退院した彼女は事務所に行って復帰宣言をし、早速記者会見をした。
「きっと神様がもっとお前は歌い続けなければいけないと私に言ってるのだと思います。今日から私は生まれ変わった積もりで、再デビューします」
そして、この3ヵ月後、声の美しい妖精の子を授かることになる。
  


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