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二兎追う方法、教えます
【学園物 官能小説】

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耽ける兎-6

 午前0時。ツキコからの電話はまだ来ない。
 こちらから電話しようかと思ったが、時間が時間なので気が引けた。
 ならばメールと思ったが、アドレスを忘れてしまっていた。
 前に聞いたが、どうせ使わないだろうとタカをくくって登録もしていない。
 同じ生徒会で幼馴染とは言え、さすがに今まで希薄すぎる関係だったかもしれない。
 だからこそ、ツキコは俺に告白したのだろうか。
 ツキコの気持ちは俺にもわかる。
 俺もヨウコから男扱いされていないと思ったから告白に踏み切ったのだ。
 
 そんな事を考えていると、電話が鳴った。
 きっと、ツキコだろう。

『もしもし、ハヤカワさん?』
『あ……まだ、起きてたんだ。もしかして、起こしちゃった?』
『いや、電話するって言ってたからさ、待ってたんだよ』
『そう……遅くなって、ごめんね。家族が寝るの待ってたから』
『家族?』
『タムラ君以外には、聞かれたくない話なの』

 透明感のあるツキコの声が、ほんの少し艶っぽく聞こえてドキリとした。

『ねぇ……わたしが、今、裸でいるって言ったら信じる?』
『えっ? そんな事、信じられるわけないだろう? 』
『さっき言ったでしょう? 真面目じゃ、ないって』
『急に、そう言われてもな。俺は真面目なハヤカワさんしか知らないよ』
『じゃあ、その証拠を、見せるわ』
『証拠?』
『今から、タムラ君の携帯にメール送るから、それ、見て』
『メール? あっ、おい。ハヤカワさん?』

 ツキコはそれだけ言うと、いきなり電話は切れた。
 俺は彼女のアドレスは忘れていたが、ツキコは覚えていたのか……。
 しかし、ツキコからメールが送られたことは今まで無かった。
 これから、初めてのメールが送られてくるらしい。
 そして、このメールは、初めてにしては驚くべき内容のものだった。


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