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クリスマスブルー
【OL/お姉さん 官能小説】

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クリスマスブルー-3

「いいの?助かるわ。」

「いや、こっちこそ思わぬラッキーだよ。」

八人部屋と言っても十人は悠に入れるような広い部屋だった。
来客を順番に入れてかないとお店の方もおぼつかないのだ。

人数が増えて、しかも見知らぬ男たちとなれば凶器のようなマキの歌も少しは柔らかく聞こえた。
それでも男たちは圧倒されてしまって自分たちが歌えない。

「バカ女っ!自分ばっか歌ってんじゃないよ。」

「いいよ、好きなだけ歌えばいいんだから。」

「ダメよ、ちゃんとルールを守んなきゃ。」

「ルールってなに?そんなのあったの?」

「だからあんたはバカなんだよ。」

「いいって、いいって…」

男たちは引き下がってしまったので私はどんどん適当に入れて、次々と男たちに順番に歌わせた。

「もしかして、君たち姉妹?」

「違うわよ、何で?」

「なんか、お姉さんみたいだからさ。」

照明を落としたカラオケ店の雰囲気といえば、私にはまさにブルーなクリスマスだった。
たぶん、女ふたりで過ごすクリスマスよりはいくぶんラッキーだったのかも知れないけど、何とも言えない心の隙間に感じる冷たい冷気を否めずにいる。

二時間はすぐに過ぎて、マキは欲求不満で不機嫌な様子だったが時間も9時を過ぎていい頃合いだった。
街中の至るところは今頃カップルで充満しているに違いない。
特にラヴホテルなんて、すっかり満員なんだろなぁ…
などと思いながら年中ついてるラヴホテルのイルミネーションを何気なく眺めて思う。

「アツコ、スケベだからホテル行きたいんだ。」

「違うわよ、イルミネーション見てただけよ。」

「ねぇ、誰かこの子を慰めてやってよ。
ホテル見てヨダレ垂らしてるわ。」

男たちの背の高いのが言った。

「マジでどうする?少し飲みに行っちゃわない?」

「私、帰る。」

「えーっ、もう帰っちゃうの?せっかく会えたんだから…」

「そうよ、男が欲しいって半泣きだったじゃん。」

「誰が半泣きなのよっ!」

たしかに半泣きだったかも知れない。
だけど、この状況じゃあどこへ出向いても5人分の席は確保できそうにないし、私が思うに男たちもこういう時には誰かリーダー格がいて次はどうするかと決めてくれないと…
深夜まで引きずり回されて曖昧に終わるのが目に見えている。

「じゃあ、こいつンち汚いけどそこでゆっくり飲まない?
この分じゃ、なかなか座れる店も見つかりそうにないしさぁ。」

「いいわ、それ行きましょうよ。」

私は帰るつもりだったけど、男たちと一緒に引き止めようとしたマキに反撃したような気になった。
案の定、男の…しかも見知らぬ人間の部屋に行くとなるとマキは少し不安そうな顔をする。



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