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クリスマスブルー
【OL/お姉さん 官能小説】

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クリスマスブルー-2

「何よ?」

「あっ…忙しいの?」

どうしよう。あの女、最後まで私を連れて出かけるつもりなんだ。

「大丈夫だけど、何よ?」

「あのさぁ…メシでも行かない?」

「メシって、あんたクリスマスは?」

「アツコが行かないっていうから行かなかったよ。」

レズか?おまえは…

クリスマスのイルミネーションは白と青が多いように見える。
それで疎らに散りばめた赤やオレンジ色の光が際立つのだろう。

寒気によく合った白とブルー。
私たちの心の奥底を隠せない色だと思うのはやはり気のせいなのだろうか?

「カップルばっかだね。」

何だか床敷きのフェルトを重ね着したように着膨れしたマキがいう。
私といえばパンツ姿でよかったのに、なぜかせっかくだからとブーツを履いて出てしまったのだ。

背が高いハンサムが隣で暖めてくれるならいいけど、チビのマキと二人ならスカートの中がすうすうして寒い。

「カラオケ行こうよ。」

えーっ!言い出すと思ったけど、斎藤たちのオヤジギャグとマキの歌。
どっちが耐え難いかといえば無条件にマキの歌なのだ。

こいつはたしかにいいヤツで親友でもある。
だけど、カラオケだけは一緒に行きたくない。
力の限り叫んで、音程もリズムもないのだから…

「き…きっと、一杯だよ。
だってさ、クリスマスじゃん。」

「行ってみようよ。だって寒いじゃん。」

そんなアラスカかどこかのエスキモーみたいな格好して、なおかつ寒いのかね?キミは…
やっぱり斎藤たちのコンパに参加するべきだったのか、あるいはそれでもマキの歌からは逃れる事はできなかったのだろうか?

私は本当にクリスマスを怨めしく思えた。

ストッキング越しにとはいえ、太ももの寒さには勝てずに私たちはボウリング場の下にあるカラオケを訪れた。

「本日、混み合いまして二時間までのご利用となっております。
今からですと、四時間の待ちになりますがいかがいたしますか?」

制服をビシッと着こんだイケメン店員はすでに疲れた表情で説明した。
そこへ声をかけて来たのは大学生風の三人組だった。

「俺たち三人で八人部屋しか空いてないんだ。
よかったら一緒にどう?」

マキの事だからカラオケモードに入ってしまうとここを出ても、夜明けまででも次々とカラオケ店を探し回るに決まってる。
ツーショットで二時間も付き合わさたら私はたぶん死んでしまうだろう。

5人で二時間ならその負担も違ってくるはずだ。
この三人には気の毒だけどマキの歌の犠牲者になってもらうしかない。


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