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「新入社員歓迎会」
【OL/お姉さん 官能小説】

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「新入社員歓迎会」-1

 居酒屋チェーンの宴会場で、産隆商事営業部の新人歓迎会が開かれていた。「歓迎会」と言っても、多分に古い体育会系のノリのあるこの職場では、新人に「根性」を入れるのが「歓迎会」の目的となっている。
 管理職の挨拶と乾杯、歓談と進んで、まず、男性新入社員の根性と度胸を鍛えるゲームが繰り広げられた。内容は、大声で恥ずかしいことを言わせたり、一気呑みや、店の従業員からとんでもない物を借りてくる借り物ゲームなどで、新人たちのドタバタを見て、上司や先輩社員たちは大いに盛り上がったのである。
「それでは、いよいよ女子社員の番です。」
 司会役になっている営業一課の谷口が言うと、「待ってました」と言う掛け声とともに、大きな拍手が沸き起こった。
「それでは、新入社員の皆さん、前に出て来てください。」
 周りの先輩に押し出されるように出て来たのは、営業部に配属になった8人。その8人が舞台に見立てられた上座のスペースに一列に並んだ。
「さて、まずは、自己紹介をしてください。」
「営業二課に配属になりました倉崎美緒です。どうぞ、よろしくお願いします。」
 7人目に美緒が自己紹介をすると、男性社員から一斉に拍手と歓声があがった。今年の新採用の中ではもちろんピカ一、かつてこんな可愛い娘が入って来たことはない、との噂は入社して3日ですでに社内を駆け巡り、誰もが注目していたのである。
 そして、営業部の面々は、あらためて彼女を目にして、その噂でさえ控え目な程だと感じた。
 肩の辺りできれいにウェーブのかかった髪、二重瞼を彩る長い睫毛に黒目がちの瞳、顔立ちは童顔で、大卒で入社してきたのだが、高校生だと言っても通用するだろう。体つきも少女のように華奢なのだが、胸や腰の曲線には十分に女を感じさせるものがあった。
(何をさせられるんだろう…、いやだなぁ…)
 美緒は何度もそう思って、ため息をついた。もともとどちらかと言えば大人しい性格で、育ちも良い彼女は、こうした宴会
の猥雑な雰囲気は苦手だった。そのうえ、男性社員のイジメとも言えるゲームを見せられて、彼らに対する同情と、馬鹿馬鹿しさで、その場にいたたまれない気持ちになっていたのだ。いよいよ自分たちの番だと思うと、不安で胸がドキドキし、表情が自然に固くなっているのが自分でわかる。
 しかも、女子に課せられたゲームは、彼女の想像を越えていた。
「女子社員と言えば、営業部恒例の…」
 谷口はそこまで言って一呼吸置き、周りを見渡した。男性社員たちの目が、期待でギラギラしている。美緒の表情にサッと不安がよぎる。
「野球拳だあっ!」
「エーッ!」
「やだーッ!」
 女子新入社員の数名が口々に抗議の声をあげた。美緒はと言えば、驚きのあまり声も出ない。
「ルールは簡単。2人ずつペアになって、ジャンケンをし、負けた方が着ている物を一枚ずつ脱いでいきます。先に全裸になって、脱ぐ物がなくなった方が負けです。負けた人は罰として、全裸のまま、みんなにお酌をしなければなりません。」
「そんな…」
 さすがに美緒も抗議の声をあげたが、男たちの歓声や周囲の雑音にかき消されてしまう。
 あれよあれよと言う間に、ついに野球拳が始まってしまった。最初の組になった女子社員は、最初のうちこそ嫌がっていたが、周りの男性に乗せられて、キャアキャア言いながら野球拳をやっている。雰囲気に流されやすく、ノリの良い女の子から順にやらせていって、その場の空気を作ってしまおうという作戦なのだ。美緒は最後の組だった。


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