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死神孫受け業
【ファンタジー 官能小説】

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葬られる者-2

そしてちょっとの沈黙の後、少女の悲鳴が聞こえた。

「なによ、これ? 何もないじゃないの? あなたは一体」
僕はゆっくり起き上がると言った。
「そうだよ。僕はハニエルの中性バージョンなんだ。
胸は出ていないから男性だと思ったろう?
だから君がいくら足掻いても、僕とセックスして昇天することはできないんだ。
普通コースであの世に行くしかないんだよ」
少女は目を三角にして怒った。
「それじゃあ、契約違反じゃないの。
美少年の姿で花束を持って迎えに来るってことだったでしょ?」
「そうだよ。君がズボンを脱がせなければ、美少年で通用したと思うけど」
「でも中性じゃあ美少年じゃない!」
「でも僕はセックスをするなんて約束は聞いていないけれどな。
だから美少年の姿をした中性でも構わないと思うけれど」
「死神はわたしを間違えて一回死なせたのよ。
だからそのことを黙ってやる代わりに約束してくれたんだもの!」
「それは君と死神との約束なんだと思うよ。だから僕は関係ないよ」
少女は足で床をどんっと踏んだ。
「わたしは言いふらしてやる。死神は約束を守らなかったと。
そしてわたしを一回余分に殺したと」
僕は大きく頷いてから少女に手を差し伸べた。
僕は自分にも相手にも一瞬で服を着せた。
「ごめんね。僕が中性のときはダーツに刺されてもなんの影響もないんだよ。
ちょっと演技をして騙したことになるけれど、悪かったね。
もっともあらかじめ自己暗示をかけていたから、自分が演技していたことにも気がつかなかったけれどね」
少女は目を倍に大きくした。そして顔を真っ赤にすると肩を怒らせた。
「あんたたちのやり口を向こうに行ったら訴えてやる!もうタダじゃすまないから」
僕は大いにそうやって死神のことを暴露するがいい、と心の中で言ってから少女に言った。
「さあ、もう駄々をこねてないで出発するよ。
予定時間に遅刻すると、天国の門は閉まってしまうからね」
少女はうなだれて僕についてきた。
でもその目の奥では死神を訴えてやろうという固い決意を感じさせた。
その時は僕も何もかも暴露してやる。
勿論僕の名前も傷がつくかもしれないけれど、ただでは転ばない。

死神も一緒に葬ってやる! 


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