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死神孫受け業
【ファンタジー 官能小説】

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自己紹介-1

俺は死神ではない。死神の後始末をする、始末屋の下請けだ。
つまり死神の孫受け業だ。
下請けの下請けというとかなり下級のランクだと思うだろう? 当たりだ。
今は最下級天使のエンジェルだ。エンジェルって階級名だ。固有名詞じゃない。
実はここだけの話しだが、俺は天使としてはかなりランクが上だったんだ。
あんたらもご存知のあの有名な天使と同格に並べられて『栄光の天使』と崇め讃えられたこともあったんだ。
でも俺って人?が良いから、頼まれたら嫌といえないとこがあってさ。
死神の下請けをやっているラシュヌという審判の神に頼まれてお手伝いしてたんだ。
「亡者を審判にかけて善の面が強いときには、美しい異性の姿で天国へ案内する段取りなんだが、最も適役はあなたしかいない」
とかラシュヌに言われて、引き受けてしまったんだ。
確かに俺ほど美しい天使はそうざらにはいないらしい。
こんなことを言うと自慢してるみたいで嫌なんだが、事実らしい。
それに俺はスィッチ・ジェランドのタイプだから、って意味わかるかな?
両性具有ともちょっと違うんだけど、男性・中性・女性の性を切り替えることができるんだ。
今は男性バージョンだが、中性になると性器がなくなる。ツルンツルンだ。
女性になると見る者すべてを虜にする絶世の美少女になる。
男性の今の俺も見ただけで女性達が卒倒するような美形なんだ。
おっと話を戻そう。
栄光の天使というのは十数人いるんだが、実際に代表として名前を上げられるのは、そのときの人気投票によって7人くらいなんだ。
でもって、結構最初のうちは俺も総選挙みたいにして結構票が集まっていたんだけど、
死神の孫受けをやっているって噂が立っちゃって、だんだん格下げになって行ったのさ。
天使のランク付けって、人気投票で決まっちゃうんだよ。ふぅぅ。
でもって俺は気がついたら最下位になってたって訳。
これから俺は女性バージョンになって死亡決定者を迎えに行くんだ。
赤い傘をさして白いコートを着た少女になって行くのさ。
えっ、どうしてそんな格好するんだって? 
友情と約束の神であるミトラスがご本人との打ち合わせでそう決めたのさ。
あっ、ミトラスっていえば、知ってるかな?由緒正しい神様なんだよ。
アフラ・マズダという光明の神様の右腕と言われた偉い神様だったんだ。
この人も俺と同じで人が良くてね。自分の誕生日をクリスマスに乗っ取られたんだ。
えっ、意味がわからないって? 暇な人は後で調べてみなよ。
死神って結構恐れられているけど、威張っている割にはドジでね。
時々予定外の人間をあの世に連れてきてしまうのさ。
医療ミスと同じで、これが大きな問題になると死神も立場が危うくなるんだよ。
それでミトラスに間に入ってもらって、うっかり死にかかった人間と契約するんだ。
本当に死ぬときは希望の者に迎えに行かせるとかね。
死ぬ直前に良い思いをして死んで貰う代わりに、死神のミスについては口を閉ざしているという契約さ。
これから迎えに行く亡者は、かなり悪い男だったらしい。
なにしろ善良な人間を殴り殺したらしい。
それが死神が被害者の代わりに加害者のそいつを連れ出してしまったんだな。
それが分かってから、その悪者が騒ぎ出して、ミトラスが仲介に入ったのさ。
それでそいつが死ぬとき、今までの悪行と善行を審判の神のラシュヌに秤にかけてもらって善行の方が多かったときに俺が美少女の姿で迎えに行くという契約になったのさ。
でもって、どうやら善行の方が多かったらしくて、俺が行くことになったんだ。
赤い傘と白いコートの服装はそいつの希望で指定されてるそうだ。
それじゃあ女性バージョンにスィッチ・オン!
 


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