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サクラ大戦〜独逸の花乙女〜
【二次創作 その他小説】

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サクラ大戦〜独逸の花乙女〜-11

アイゼンギガントが近付いてくる龍一郎機を撃ち払おうと、左右にそれぞれ装備されているマシンガンを乱射する。
しかし、バックパックブースターの運動性と龍一郎の操縦技術はマシンガンの命中を許さなかった。
「でゃっ!」
気合いを込め、突き出した刀は的確にアイゼンギガントの右腕関節部を破壊する。
残った左手が龍一郎機を狙ってマシンガンを撃つ。
間一髪避けたものの、太刀がアイゼンギガントの右腕に刺さったままになってしまう。
丸腰の龍一郎機に照準を合わせるアイゼンギガント。
「させねぇよ!」
その時、援護に回っていたかすみ機がブースターを噴かしながらアイゼンギガントの上空に達する。
「はぁぁぁぁ!」
裂帛の気合いと霊力が弾丸に籠もる。
「百花繚乱、五月雨撃ち!」
上空から文字通り、弾丸が雨あられの様にアイゼンギガントに降り注ぐ。
いかに装甲の厚いアイゼンギガントも霊力の籠もった弾丸を食らっては、ひとたまりもなく、片膝を付きながら崩れ落ちる。
「ご苦労だった、天城君、回収に向かってくれたまえ」
指令室からダイリーの通信が入る。
「了解しました」
大破したアイゼンギガントを回収しようと龍一郎機が近付くと、空から雷が落ちる。
「なっ………!?」
龍一郎機がカメラアイを上空に向けると、羽根が生えた蒸気が飛んでいた。
「何者だ!?」
龍一郎は拡声器を使って上空の正体不明機に問いかける。
「………………」
返事はなく、返答の代わりに、もう一度雷が龍一郎機の目の前に落ちる。
「なにしやがっ」
近付いていたかすみが声を荒げて、怒りを露わにするが、それを龍一郎は制止する。
「我が名はヴァリアス、貴様等にアイゼンギガントを渡す訳にはいかぬ」
ようやく返答が返って来たが、それは敵対関係を露わにするもののだった。
「…………」
キャロルも異変を察知し、龍一郎達に近付く。
「俺達は、アイゼンギガントの捕獲を命令として受けている、貴様に奪われる訳にはいかない」
龍一郎は穏やかだが、はっきりと退くつもりはないことを伝える。
「ならば、頂くまでよっ!」
落雷が三機を取り囲むように落ちる。
「…………ちっ!」
落雷が晴れると、ヴァリアスとアイゼンギガントが忽然と姿を消していた。
龍一郎機のレーダーにも反応は無い。
「あいつらは一体…………?」
かすみの呟きは、先ほどまで、戦闘があったとは思えない程澄んだ青空に消えたが、三人の心の靄となり、消えることはなかった。


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