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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#04  研修旅行――三日目-2

「柚子、平気かしら?」

「あのデカ女の場合、てめえから岐島にあげんじゃねえの?」

「ああ……それも、そうですね」



今回、自分たち工芸班と別れて蕎麦打ち班――暴食変人・岐島仙山と同じ組みになってしまったという不憫な巨躯女・相原柚子葉の身を案じてみたが、過去の贖罪かはたまた別の理由でか、岐島へ妙に献身的な相原の態度を思い出し、杞憂だと決した林田。

ここ二日間で五回は餌付けに成功しているのだ、相原は。



「まあ……と・も・か・く・で・す!」

「ぃぎ」



親友の安否が断じられた以上、この話題はもう終わりらしい。

林田が私の右腕をホールドしてきた。



「さぁ、行きましょうか?ちゃっちゃとしないと未完成品を持って帰ることになっちゃいますよ?」

「いいよ、別に!どうせ棄てっし!」

「勿体ないじゃないですかっ?ノンエコロジーです!」

「鳥を飼っていないやつに鳥籠を作らせるのはエコなのかっ?」

「大丈夫です。南方熊楠さんも自然愛好のためなら許してくれますよ、きっと」

「誰だよ、南方さんっ?」

「日本で最初にエコを唱えた御仁です!ほらほら、もう問答は終わりですよ!」

「って、ぅお?おまっ、結構、強っ――」

「佐倉さんが軟弱なんです!ヤンキーのクセに……」

「華奢なんだよ!ヤンキーじゃねえし!」



林田にズルズルと引きずられ、木工場へと連行された私。



「もお、佐倉さん!なにがそんなに嫌なんですっ?」



我慢の限界と、林田が叱りつけてきた。

答えは簡単なのだ。

嫌なのは林田と共同作業をすること。

だって――









「だ〜か〜ら〜よぉ……いやだって言ったんだ、ちっくしょ……」



鐘状高校へと向かうバスの中でだ、私はひとりごちた。

これで研修旅行も終わりなのだが、もう、最後の最後で最悪である。

そんな項垂れる私の膝の上に、それはそれは立派な鳥籠。プロデュース・バイ・私。

その時だ、隣から無駄に澄んだ声が降ってきた。




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