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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 1[Life and death]-7

 助け舟とは言い難いことを一通り述べたレクサスは、
 クックックと背を丸めながら両手で腹を押さえている。
 まるでヴァルキリーとアラン、レクサスの会話の間、導火線がジリジリと燃え続け、
 レクサスが話し終えた時に、爆弾に着火したかのごとく、堪えていた隊員達もどっと笑いを
 開放させた。
 ジャイファン屈指の剣の腕前を誇るアランだが、
 同時にジャイファンで右に出る者がいないというくらい、
 形式ばった軍の規律のようなものには馴染めない。
 そう、あくまで戦闘時ではない『普段』のアランは。
 それを知っているヴァルキリーには、
 もはやこの場には針の穴に糸を通すような緊張感がない状況を、仕方なく受け止めるしかなかった。
 ストリームブリンガーを己が理想へと向かわせたいヴァルキリーではあるが、
 アランの性格と対峙した時、どうも消化されてしまう。
 ストリームブリンガーは元々一般ギルドから選別された精鋭集団ではあるが、
 ギルド時代に深く馴染んでしまった空気というものは、変えることは難しい。
 またヴァルキリー自身は、ギルドという集団に属した事はない。
 彼は今まで国王の息子として、王国騎士団として、父である国王と国のために仕えてきた。
 そんな彼には、中々この現状を変えることは厳しいだろう。
 組織変革は時間がかかり、かつ、上司は部下を理解してからでなくては、
 組織に改革を押し付けることになり、部下の士気が下がったり不満が生じる事となる。
 この場に限ってはストリームブリンガーの姿は、国王直属の軍として規律を重んじる己が理想よりも、
 ギルドとしての性格は変えられないという現実のほうが、ヴァルキリーの中で勝ってしまった。

「レクサスの忠告は受け取っておこう。しかしな、今回の作戦は我々の行動如何にかかっている。
 各々それを忘れるなよ。」

 ヴァルキリーの理想の最後の抵抗だった。
 しかし、いつしか笑いは止み、隊員達の表情は先ほどまでの真剣な面持ちへ変わっていた。
 レクサスでさえも。
 
(やる時はやる…か。それがギルドというものの良い部分ではあろうが。
 中々己が理想へと近づくことは難しいことだな。)

 ヴァルキリーはゆっくりと続けた。

「雪原戦は1週間後だ。それまでに各自準備しておけ。また今は局地戦は小康を保ってはいるが、
 いつ何時他国が攻めてくるかわからん。有事に際してはお前らの判断に任せる。気を抜くな。
 アラン、何かお前から言うことはあるか?」

「特にないです。あ、先程団長から報告があったかもしれないけど、
 現在イルス諜報へはルアーノさんのギルド、
 レナス外部守備にはシュリさんのギルドが任に就いてます。
 雪原戦へ向けて、万全な基盤を作るための措置とのマルトース卿の案です。」

「あぁ…、我々はストリームブリンガーだが、常にひとまとまりで行動するわけではない。
 さすがにルアーノギルドの支援のため国外へ赴くことは許されないが、
 俺はお前達を束縛しているわけではない。常識の範囲でお前達に全て任せる。
 戦場ではある程度の団体行動はとってもらうがな。」

 ヴァルキリーは呆れていた。
 ギルドらしい反応を隊員達がしているから。

「本当かよ。おい、シュリさん達の支援にいこうぜ。」

 誰かが口火を切ると、俄にざわめきが起こった。
 シュリはアランの姉ネリア同様、ジャイファンでは人気がある。
プリーストとして戦場の要であり、同時に美しい風貌を持つ女性としての華なのだ。

「ストリームブリンガーとしての自覚を忘れるなよ! では解散!」

 語気を強めることで、ヴァルキリーはかろうじて自分の理想を守ろうとした。

(最初から己が理想を現実にすることは無理なのかもしれない。
 ただこいつらは芯はしっかりしている…はずだ。
 でなければストリームブリンガーに編成されることはないからな。)

 最早それだけがヴァルキリーの心の拠り所であった。
 余計な事を、といった憤りの面持ちでアランに視線を送りながら、彼は退出した。

 必要である情報を言わなかったヴァルキリーをアランが補ったことは幸いだった。
 結果として、場には緊張感がなくなってしまったが、ギルドの配置などは把握しておいて損はない。
 ヴァルキリーは翌日、この時アランに対して腹を立てたことを後悔する事となる。


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