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若き亀やん、再び!(シリーズ3麻雀編)
【コメディ その他小説】

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有名人の息子-3

「お前らよう考えろや、支配人がその『坊やタツ』本人とちゃうねんど!」

「そやけどその息子やで」と岸和田。

「まっつん、お前のオヤジ『坊やタツ』のこと他に何か言うてなかったか?」

「そうやな、『坊やタツ』はその名の通り『坊やタツ』やったって言うとったわ。」

「なんじゃそりゃ?意味解らんわ。他に無いんかいな、迫力あったとか」

「お〜、言うてた言うてた、メッチャ迫力有ってそれに圧倒されて負けてしもたって言うてたわ」

「そうやろ!それやがな!あの支配人見てみ、全然迫力無いやんけ!」

「そうやのう、オヤジに聞いてた人物像と全く違うわ」

「そうやろそうやろ、まっつん!オレらがあんなオッサンに負ける訳ないやんけ」

「ホンマや、運の無い亀やんはともかくラッキーボーイのオレが負けるワケないな」

松原はニヤリと笑った。

「何がラッキーボーイじゃ!素人チェリーボーイのクセしやがって!」

「うるさいわい!素人なんてオモロ無い!プロをイかすことがオレの生きがいなんじゃ!」

「イかす?お前本気で言うてんのか?」

オレは驚いた。

「当たり前やんけ、オレのテクでいつもヒィヒィ言うてるど」

アカン、頭痛なってきた。

「アホ!演技に気まっとるやんけ!」

「そんな事あるけ―!アケミなんていつもグッタリやど」

「そのアケミやけどな。この前、例の店でお前のお気に入りのアケミに当ったんや」

「ホンマか?行けばトンちゃんばっかりの亀やんのクセに、アケミに当るとはメチャラッキーやったのう。ホンでどうやった。お前のおチビちゃんやったらアケミは満足せんかったやろ?」

うっ!オレの脳裏にトンちゃんの福々しい容姿が過る。ブルル。

「うるさい!オレのことはエエんじゃ!その時にお前の話になったんや」

「そうかそうか、オレのテクのことを言うてたやろ」

「言うてた言うてた『まっつんちゃんは早いから楽でエエ♪』って」

「なんやと―――――!」

「プッ、ブッハハハハハ」

会話を聞いてた岸和田が吹きだした。

「そ、そんなこあるかい…」

「まあ、気ぃ落とすな。プロ相手に早漏は恥ちゃうど。どんどん修行に励め。ワハハハ」

「うるさい!くっそ―!ムッチャ、はらたつのりやんけ!この怒りをアケミにブチ込んでくれる〜〜〜!」

「まあまあ、今日の所はそのたつのりエナジーを麻雀に突っ込めや」

「う―――」

「ホンで岸和田!お前はどうなんや?」

「笑たら何かアホらしなってきたわ。ホンマやな、あんなオッサンを怖がってたた自分が恥ずかしいわ」

岸和田もニヤリと笑った。ホンマ、こつらが単細胞のボケでよかったわ。

「決まりやな、ホンだらあのボケ共をちょっといわしたろかい!」

「勝った金でアケミのとこ行くど―!」

「よっしゃ―!負けんために気合入れるどお、激ヅモの気合じゃ!ええかぁ―――!せえのっ!」

「コォ―――――!」

話がまとまったオレらは、3人で息をピッタリ合わせた『激ヅモ』の気合を入れながら部屋に入って行った。

「しゃーけど亀やん、お前の『こぉ―』が成功した試し一回も無いやんけ…」

「ホ、ホンマや。こらアカンかも…」

岸和田がポツリと言った言葉に松原が直ぐに反応した。

「じゃかましわい!」

ホンマ、岸和田は人の気を抜く名人や。


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