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汚れた教室 〜教室長マヤの日常〜
【レイプ 官能小説】

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淫らなふたりを見つめる目-3

 授業後に、ユタカの現状を久保田と雪村に話した。ふたりの表情がみるみる深刻になっていく。話の内容からいって、それも無理はなかった。

「そうですか……ユタカくん、本当に勉強は良くできるんですけどね。でも私立に合格したあたりから、なんていうか天狗になっちゃったのかな。糸が切れたみたいに、努力しなくなったらしいです。きちんとやればあの私立中学でもじゅうぶんついていけたと思うんだけど」

 雪村がため息交じりに言う。そうですよね、と久保田が熱心に話しだす。

「彼の授業、ほんの何回かしかやってないんですけど、ものすごく呑み込みが早くて教える方も楽しかったんです。ただ、プライドがめちゃくちゃ高いから扱いが難しいというか……同級生に対しての態度はたしかに良くないけど、みんなと一緒にいるうちにだんだんわかってくると思います」

 なぜか一緒に残っていた田宮も口を出す。

「うんうん、わたしもそう思う。受験で必要な知識だって、勉強しなくちゃ身につかないもんね。人間関係のことだって、実際に友達同士の中で触れ合って、喧嘩したりして、だんだん身についていくんだよ、きっと。だからさ、ちょっとずつでも学校に行けるようになるのが、一番いいんだろうなあ」

「でも自殺なんて……そこまで思いつめるくらいなら、学校なんて行かずに家にいた方がまだいいのかな」

「それじゃ解決にならないわよ。大人になってもずっとひきこもりなんて、本人も家族もたまったもんじゃないし」

「そんな極論を言ってるわけじゃないでしょう? 緊急避難的な意味合いで、しばらくの間だけ学校にいかないっていうのも選択肢のひとつかなって思うだけよ」

「馬鹿ね、そんなことしてる間にタイミング逃して、結局ひきこもりになっちゃうんだって。だいたいさ、ちょっとしたいじめくらい、大人になっても会社だってどこだってあるんだから。ある程度いまのうちに我慢して耐性つけておかなきゃ、どうするんだって話よ」

「た、田宮先生、さすがに僕もそれは暴論だと思います、今回も無理して学校行かせようとして自殺未遂になっちゃったんだし……」

 3人が喧嘩でも始めそうな勢いになってきたので、マヤは慌てて間に割って入った。それも生徒への気持ちがあればこそなので、ありがたいことではあるのだけれど。

「あー、とりあえず今日はそこまで。一緒に考えてくださってありがとうございます。また、ユタカくんと直接お話ししてみてどんな感じだったか、先生方にお伝えしますね。さあ、今日はもう遅いし帰りましょう」

 田宮と雪村は熱くなりすぎたことを詫び、それでもやっぱりユタカのことが心配だと言いながら帰っていった。

 最後に残った久保田は、マヤの正面に突っ立ったまま、大きな体でもじもじしている。その姿があまりにもおかしくて、思わずマヤは笑ってしまった。

「あはは、何やってんの? 久保田くん。ほら、もう遅いから帰らなくちゃ」

 赤い顔をして、意を決したように久保田が大きな声を出す。

「や、あの、えっと、その……デ、デートに、お誘いしたいんですけど……えっと、今度の日曜日、あの、映画とか……どうでしょうか。お疲れだと思うんで、その、長い時間じゃなくてもいいんで……」

「映画? うん、いいよ。もしも急に仕事で呼び出しが入ったらキャンセルするかもしれないけど、そうじゃなかったら今のところは予定も無いし」

「ほ、ほんとですか!? うわあ、嬉しいなあ、じゃ、じゃあ、あの、また時間とか決まったらお伝えします」

「うん、お疲れ様。気をつけて」

「は、はい! お疲れさまでした!」

 足取りも軽くドアから出ていく久保田を見送りながら、マヤはまるで生徒のひとりを見ているように微笑ましく感じた。

 まだ学生の久保田。純情過ぎる彼ではマヤの相手はつとまらない。傷つけたくない。深く踏み込んではいけない。義理を果たすつもりで一度だけつきあって、それでうやむやにするつもりだった。今は相手が誰だったとしても、恋愛をするほど心に余裕が持てない。体だけの付き合いがちょうどいい。


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