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夕焼けの窓辺
【その他 官能小説】

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第3話-10

「もう、何も考えるな…」
そう、彼女の耳元に唇を寄せて囁いた後、再び彼女の唇を奪う。
先程までの英里の抵抗はぴたりと止んで、圭輔は存分に彼女の唇を味わった。
…何だか、悔しかった。
別に、セックスが上手いだなんて思ってはいないが、彼女の告白に若干傷付けられた。
満足できなかったのではないかと不安に思わせているという事は、裏返すと、彼女を満足させられなかった事と同義ではないか。
啄ばむようにわざと音を立てて彼女の唇を吸いながら、押し潰すように乳首を捏ねる。
弾力のあるそれを、強弱をつけて愛撫する度に、塞がれた彼女の口から、くぐもった声が漏れる。
彼女の手首を掴んで書棚に押し付けたままだった手を離して、代わりに、彼女の長い髪に指を滑らせる。
相変わらず、指通りの良い艶やかな髪の感触が心地よい。
長い口付けが終わると、今度は彼女の胸元に唇を寄せた。
肌理の細かい、彼女の滑らかな肌の感触を唇で味わう。
「あっ…」
胸元に頭を寄せている圭輔の髪が肌を掠めて、英里は少しだけ声を漏らした。
押し上げたブラのせいで、胸の下半分しか露になっていない。
圭輔はその部分に唇を滑らせ、時折、軽く舌を這わせる。
生温かい感触が体を走る度、淡い快感が彼女に与えられる。
乳房を満遍なく舐められているが、肝心の部分には全く触れてくれない。
英里の体は、もどかしい、むず痒いような感覚に襲われる。
それを察してか、圭輔はさらにブラを引き上げ、すっかり勃ちきった赤い突起全体を口に含み、舌先でころころと転がした。舌先で時折強く刺激し、唇で全体を吸い上げる。
「んんっ…」
口を結んで、英里を必死に声を押し殺していると、
「何で声我慢しようとすんの…?」
唇をそこから離して、彼女の紅い唇を指でなぞりながら、囁く。
英里を見つめる、圭輔の瞳。
黒曜石のような漆黒の瞳に見つめられると、何だか心の裡まで見透かされているような気分になる。
自分達は、こんなところで一体何をしているのだろう。ここは、学校内なのに…。
そんな思いも吹っ飛んでしまう程、強い瞳に惹きこまれそうになる。倒錯した気分に陥る。
「だって、恥ずかしい…」
辛うじて、英里は言うと、
「ここには、英里と俺しかいないのに?」
「でも…ッ!」
もし、誰かに知られでもしたら…
彼女は言葉を発しかけたが、突然再開された愛撫に、一瞬喉を詰らせる。
「英里の可愛い声、もっと聞きたい…」
両手で彼女の胸を揉みしだく。
五指を動かし、柔らかい胸の感触と、彼女の表情を存分に楽しむ。
頬を赤らめて、助けを求めるような瞳を向けられると、どうも嗜虐的な感情に陥りそうになる。
もっともっとそんな顔を見せて欲しくて堪らなくなる。
まだ始めたばかりだというのに、既に自分の下半身が熱く漲っているのを感じた。
今晩は、どうも以前より自制ができそうにない。
人差し指と中指で少し強く乳首を摘み、もう片方は、英里に見せ付けるかのように、舌先でちろちろとそこを優しく刺激する。
左右別々の刺激に翻弄され、英里の背中に快感が走る。
そして、いやらしい舌の動きに目を奪われ、彼の言葉通り、何も考えられなくなってしまいそうだ。
不意に、腰が抜けそうになった彼女の体を、すかさず腰に手を回して圭輔は支え、書棚に彼女の体を押し付ける。
「…まだ、これからだから」
圭輔は薄く微笑んで、彼女の額に軽く口付ける。
彼女の両足の間に自分の足を割り込ませて、足を閉じられないように固定する。
スカートの中に手を入れると、彼女の太腿に手をゆっくりと滑らせ、何度も何度も手の平を往復させる度、英里の体は小刻みに震える。
潤んだ瞳と火照った体は、彼女が既に快楽の虜になっている揺るがぬ証だろう。
太腿を摩っていた手を、ついに下着の方へと移す。
下着越しでもわかる程、そこはもう濡れていた。
脇から指を差し込むと、ぬるっとした彼女の蜜と熱が指に伝わる。そして、柔らかい粘膜の感触。
さらに奥へと指を進め、上辺の突起に軽く触れると、一際大きく英里の体が跳ねた。
彼女は額に汗を浮かべて、息遣いも既に荒い。色白の肌が桜色に染まっている。
下着の中に差し込んだ指で器用に陰唇を開き、その淵を指でゆっくりとなぞる。
指が動く度に、彼女の体もぴくりと小刻みに震える。
そして、手探りで堅く勃ちきった肉芽を見つけると、そこに指を宛がった。十分に愛液を指先に絡め、こりこりとした感触のそれを包皮の上から円を描くように捏ねる。
「あぁっ!」
敏感なそこに触れられて初めて、英里が声を抑えきれずに、甲高い声を上げた。
身を捩って、指から逃れようとするが、圭輔は的確に英里の感じるポイントを突いてくる。
「…逃がさない」
膨らみかけた紅い実を包皮から剥き出して、指の腹の辺りで擦りあげると、間断なく彼女は矯声を上げ続ける。
少し強すぎる刺激に、英里の足がガクガクと震える。
滲み溢れた愛液が太腿を伝い、濡らしていく。
「だ、だめ…立ってられ…ない…っ」
もう息も絶え絶えといった様子の英里が、弱々しく圭輔の腕を掴んで静止を促すが、指はいやらしく彼女の秘部を弄り続けている。
「その時は俺の方に倒れこんだらいいよ、抱きとめるから」
「ちがっ…そういう問題じゃ……んぅっ!!」
ぴんっ、と指先で陰核を軽く弾かれると、痺れるような感覚が英里の全身に広がっていく。
体の感覚が鋭敏になればなるほど、それに逆らい意識は混濁していくようだ。
何故か、こうして触れられている時だけは彼に逆らえない。
いつもの彼とは違う、少し強引なところに惹かれる部分もある。
朦朧とした意識下で、ふと英里は思う。
普段は自分に合わせてくれていて、もしかすると、こちらの方が本当の彼の顔なのかもしれない。


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