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Dr.COOL
【その他 官能小説】

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Dr.COOL-2

『あのぉ、先生・・・・』
『何でしょう?』
『付き添ってくれた会社の上司に連絡したいんですけど。心配かけたモンだから・・・・』
その言葉を聞いて、クールな表情が急に和らいだ。
『もちろん、よろしいですよ。ただ、病室での携帯電話の使用とかは極力控えて頂いてますし、まだ自由に動き回れるほど回復はしていないと思われますから、こちらから連絡差し上げますね。』
さっきまでの表情と一変、笑顔で話してくれた。よく見たら、とんでもない美人。キツい表情をしていたからそうは思わなかったが、ヘタな女優なんかシッポ巻いて逃げるほどのレベルだ。
『じゃ、村井さん。また回って来ますね。』
看護士がそう言うと、二人は病室を後にした。ため息をつきながら、天井を見つめる俺。
《入院かぁ・・・・》
大して時間も経っていないのに退屈になってきた。ついさっきまで、病院の関係者だが話相手がいた。
《でも・・・・さっきの先生、綺麗だったよなぁ・・・・》
別に女医が珍しいワケではない。ただ、あれだけの逸材は目にした事がなかった。俺の中でのランキングが変わった。

―あれから三時間ほど経過しただろうか。あまりにもヒマだ。こんなに退屈なのは生まれて初めてだろう。
《誰か来ないかなぁ・・・・》
腕を頭の後ろに組み、天井を眺める。ふと、ある事が頭をよぎった。
《そう言えば俺、怒られてばっかだなぁ・・・・》
明人さん、看護士、女医。みんなに色々と怒られてた。損な役回りだ。
『はぁ〜・・・・』
デカいため息が出た。手持ちぶさたも、ここまでくれば究極だ。
《ん、待てよ・・・・》
急に、ひとつの事を思い出した。
《確か盲腸の時って、下の毛を剃るんだよなぁ。もしかして・・・・》
恐る恐る、パンツの中を確認した。予想は見事に的中。キレイさっぱり、お子様状態の下半身。
『うわっ、情けねぇ〜!!まるっきり子供じゃんかよぉ〜っ!』
『・・・・お前、何やってんだ?』
パンツの中身を確認している俺の目の前に、明人さんと社長〈和哉さん〉がいた。
『あっ、明人さんっ、和哉さんっ!ノックぐらいして下さいよっ!!』
『いくらノックしても返事しなかったのはお前だろうがっ!しかも、パンツの中なんか覗いて・・・・』
『だっ、だって毛がっ!完全にツルツルっすよっ!!情けないったら・・・・』
二人が一斉に爆笑した。俺はそんな気分じゃないのに・・・・
『な〜んだぁ、そんな事かよ。盲腸なんだから仕方ないだろ。オマケにここの看護婦、みんな可愛いからイイ思いが出来たんじゃないんか?』
まるで他人事だ。まぁ、実際に他人事だが。
『でも俺、意識とか全然無かったんですよ。イイも悪いも・・・・』
『ある種、コスプレ+剃毛プレイだな。』
ニヤニヤしながら和哉さんが言う。それなら実際に剃られてみろってんだっ!!
『ところで宏樹・・・・』
神妙な面持ちで明人さんが話し始めた。
『今度ここの看護婦達と合コンしないかぁ?』
『はぁ・・・・?』
『いやぁ、この病棟の看護婦、可愛いコがいっぱいいてさぁ。お前の全快祝いを兼ねてって事で、何人か誘って欲しいんだよ。』
『イイか、宏樹。これは業務命令だ。』
間髪入れずに和哉さんが追い打ちをかける。
《やっぱこの二人、豪快なバカだ・・・・》
もはや決定したかの様に、相談しあう二人。強制的に頼まれた俺は、何故かカヤの外。
『じゃ、悪いけど頼むなっ!』
和哉さんの明るい声が響く。このまま言いなりになるのもシャクに触る。ここはひとつ・・・・
『あの・・・・明人さん。愛美さんは元気ですか?』
一瞬にして青ざめるバカ一人。
『なっ、何言ってんだよ。元気に決まってるじゃんかっ!』
『へぇ〜・・・・でも、この話を聞いたら元気なくなるんじゃないですかねぇ・・・・』
『お前・・・・チクる気か?』
『でもな宏樹、俺はまだフリーだぞ。』
忘れていた。もう一人のバカの存在を。
『てめぇ!一人だけイイ思いしようとしてんじゃねぇだろぉなあっ!!』
『大体からして、愛美ちゃんが居ながら看護婦合コンを考えたのはお前だろうがっ!!』
『あっ、きったねぇ〜っ!話した時、思いっ切りノリノリで賛成してたろっ!』
醜い争いだ。怒号が病室に響く。延々と続くかと思われた大声。しかし、次の瞬間に止まる事になる。


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