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空っぽ
【OL/お姉さん 官能小説】

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空っぽ-2

… … … …

金曜日の朝、拓実から電話があった。

「今日、泊まりに来いよ。」って…

私はちょっと意地悪して、今日は用事がある…なんて嘘ついちゃった。
そしたら拓実ったら、用事って何だ?とか何時に終わる?とか、またうるさく言うから私は答えられなくなって結局、拓実のところに泊まりに行った。

この拓実っていう男は高校の時の同級生で拓実が学校辞めるから私も辞めろなんて言われた。
何で私まで悪さばっかしてる拓実と一緒に辞めなければならないのか分からなかったけど、結局私には勉強向いていないので拓実が辞めてからすぐに学校を辞めてしまった。

それなのに、拓実が就職する時には最後まで学校に行ってましたって書けというから私も拓実も「卒業」と書いて、それぞれ今の会社に勤めている。

拓実とはその頃からセックスしているからだ。

拓実はあの頃から時々へんな事をいう男だった。
他の男と仲良くするなとか、俺の知らないヤツとメールするなとか、おかしな事ばっか言うのだ。

そのくせ、こうして気が向いた時だけ呼び出してセックスするのだった。

拓実の部屋に行ってみたら少し変わってた事に気がついた。
なんか雰囲気が明るくなってるというか枠がピンクの鏡なんかがぶら下がってたり、ほとんど空っぽになっていたけどいい匂いがするやつが置いてあったりする。

たしかに電灯もぶら下がってるやつじゃなくて、天井にピッタリ張り付いてるのに変わってるから部屋も明るくなってるし、ベッドの横に張ってあったアフリカかどこかの旗(ドイツの旗かも知れない)がなくなっていた。

私は片っ端から触り倒して、これなぁに?これどうしたの?って聞いたら、しまいには拓実が面倒くさがって怒り出した。
それで私は帰る!って言ったらセックスしてまた仲良くなれたのだ。

やっぱりセックスするっていい事だと思った。
男と仲良くなれるし気持ちいいから、私はセックスが好きなんだ。

ずっと後になって分かった事がふたつ…

私が知らない間に別の女の子があの部屋にいた事。
私はそれほども長い間、拓実の部屋に行ってなかった事。

それからテレビを見て、コンビニで買ったやきそばを二人で食べて過ごした。
それでもう楽しみがなくなったら拓実が写真会しようなんて言ったのだ。

写真会って何だろう?

拓実がノートを破った紙を私に手渡して写メを撮った。
紙切れにはサインペンで「ヤリマン」と書いてあった。

「ヤリマンってなに?」

「いいから、これで目から下を隠して…いくぞ。」

カシャッと携帯のシャッターが降りた。

「見せて見せてっ!」

何だかへんな顔…
私はにっこり笑ったつもりなのに笑った口が「ヤリマン」で隠れてしまうと目が笑っていない。
私はいつもこんな顔で笑っているんだろうか?


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