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兄妹以上、恋人未満
【幼馴染 官能小説】

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兄妹以上、恋人未満-4

「これって……」

 指先に残った粘液をティッシュで拭いながら考える。自分を悩ませていたものの正体が『強烈な性欲』であることに思い至り、顔が熱くなった。

 そのとき、玄関でガチャガチャと物音がした。慌てて脱ぎ捨てた制服と下着をつかみ、半裸の状態で自分の部屋へと戻った。ドアを閉め、鍵をかける。弟ともうひとり男の子の話声、階段を上がってくる音。ドアに耳をくっつけて廊下の様子をうかがった。どうやら弟の部屋の前にいるらしい。

「ちょっ、おまえ、こんなもん流したままとか……」

「うわ、忘れてた。そうそう、ケンちゃんに返す前に全部見終わらなきゃいけないと思ってさ……止めるの忘れてた」

 ふたりが声をそろえて笑う。どうやらもうひとりは3つ年上のいとこ、ケン兄ちゃんのようだった。ケン兄ちゃんは近所に住んでいて、小さい頃から3人でよく遊んだ。最近ではときどき勉強も教えてくれるし、いつも優しくて実の兄のような存在だった。

 あのDVD、ケン兄ちゃんのだったんだ……大人の男の人だから、別に持っていてもおかしくはないけど、普段のイメージから考えるとすごく違和感があった。

「これと、これと……あれ? ケンちゃんに5枚借りたよね? おかしいなぁ、4枚しかないや」

「おいおい、友達に勝手に貸したとかじゃないのか? まあいいけど、見つかったら返してくれよ」

「うん、わかった……あれぇ? でも何で無いんだろう」

 ふたりのやり取りを聞きながら、ふと胸元を見ると、自分が抱えた制服と下着の隙間に1枚DVDが挟まっていた。胃がきりきりとしめつけられるように痛くなった。さっき慌てて弟の部屋を出たとき、うっかり持ってきてしまったのに違いない。

 まさか、いま持っていくなんてできないし……弟の部屋に入ったことも、あんな映像を見てしまったことも知られたくない。明日にでも弟がいない隙に、こっそり部屋に戻しておこう。そう決めると、ちょっと気持ちが楽になった。

 弟とケン兄ちゃんはゲームか何かを持って、またすぐにドタバタと部屋を出て行った。たぶん明日は休みだし、ケン兄ちゃんの家で対戦ゲームでもやるのだろう。いつまでも子供みたいだなあ、と思いながら、わたしは着替えを持って浴室へと向かった。


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