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【アイドル/芸能人 官能小説】

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第二章 瞳に犯される-1

綾乃は男性が嫌いだった。体に触れられることはもちろん、視線を浴びるだけでも嫌だった。特に新体操の大会で浴びる男性の視線は・・・

あの日からだった。

綾乃は小さいころから新体操に打ち込み、その日は優勝を目指して中学最後の大会に臨んでいた。出番を待つまでの間、応援に駆け付けた同級生に囲まれていた。そして、その中の一人が観客席を見上げて呟いた。

「綾乃、琢也先輩が来てるよ。綾乃を見詰めてる・・・」

それは、綾乃が尊敬し秘かに思いを寄せている先輩だった。綾乃は素直に嬉しかった。憧れの先輩の前で精一杯の演技を見せたいと思った。

琢也の視線を意識した。すると驚くべきこと起きた。何故か琢也が見ている場所が分かるのだ。背中を向けていても、見られている場所にはっきりと琢也の視線を感じた。そして、絶え間なく注がれる視線は、綾乃の肌で弾けるとむず痒い感覚となって体の中を広がっていった。

琢也の視線を浴びて踊り出す。綾乃は努力を積み重ねて習得した指先の動きを、リボンの優雅な動きを琢也に見てもらいたいと思っていた。しかし、琢也の視線は綾乃の見てほしい場所を素通りし、思いがけない場所に注がれていた。

『そんなところを・・・恥ずかしいよ・・・そんなに食い入るように見られたら・・・どうすればいいの・・・いやよ・・・恥ずかしいよ・・・はずかしい・・・』

頭が真っ白になり、気が付けば体が燃えるように熱かった。そして、胸が激しく締め付けられた。あまりの苦しさにもだえると太ももの内側がべっとりと濡れていた。

綾乃は体の変化にとまどい、自分を責めた。しかし、本当の地獄はその夜に訪れた。

ベッドの中で綾乃はもだえていた。演技中に受けた視線が鮮明に蘇り、綾乃の恥ずかしい場所に突き刺さる。

『いやあ!見ないで! そんなに恥ずかしいところばかり・・・そんなにいやらしい目で私を見ないで!』

視線が体に纏わりついて離れない。体が焼けるように熱い。視線を振り払おうと長い脚を跳ね上げ大きく押し開いた。開かれた太ももの内側で注がれた視線が爆発した。

『んああ!だめえ!』

綾乃の指が体に延びる。

くちゅう!

綾乃の指がぬかるみに埋没する。痺れるような感覚が体を突き抜ける。

『綾乃!いけない!そんなことダメよ!』

嫌だった。いやでいやでたまらないのに、綾乃は自分の体をまさぐることをやめられなかった。

絶頂の余韻が過ぎ去ると、自己嫌悪に苛まれた。

涙が止まらなかった。

小さいころから誰よりも可愛がられ、愛されてきた。
誰よりも賢く、美しくありたいと思ってきた。
勉強に励み、成績はいつもトップだった。
賢く美しい自分を皆に見てもらいたいと、生徒会長を務め、新体操に取り組んできた。

誰よりも気高くなければならない綾乃が、こんなに不潔な行為を・・・

辛かった。悲しかった。そして、死にたいと思い詰めた。

綾乃は男性の存在を心から締め出すことにした。授業中も休み時間も男性を視界から締め出した。放課後は新体操に専念し、自宅に帰ると目蓋が落ちるまで勉強に励んだ。


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