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Twin's Story 7 "Milk Chocolate Time"
【幼馴染 官能小説】

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浄化-1

 明くる日の朝。
 「龍、何してんだ!遅刻するぞ!」ミカが階段の下から叫んだ。
 「どうしたんだ?」ケンジがミカの横に立った。「珍しいな、龍が寝坊するなんて。」
 しばらくして龍が制服に着替えて階段を力無く降りてきた。

 「どうした?具合でも悪いのか?龍。」ケンジが言った。
 「別に。」龍は言葉少なに食卓に向かい、黙ってトーストをかじり始めた。
 いつもなら黙れ、と言いたくなるほど食事の時にはしゃべりつづける龍が、今朝は一言もしゃべらず、無表情のまま食事を済ませた。ケンジとミカは思わず顔を見合わせた。
 「いつもより遅いから、急いで行きな。でも焦って車とぶつかるなよ。今ならまだ雨も降ってない。」ミカが玄関に立って言った。
 「うん。」龍はシューズを片方履いた。そしてもう一方のシューズを手に取った時、いきなり口を押さえて履いていた片方のシューズを脱ぎ捨て、トイレに駆け込んだ。
 「龍!」ミカが叫んだ。トイレの中から、龍の激しく嘔吐する音が聞こえた。
 「どうした?!」ケンジもやってきた。
 「龍が、」ミカがそう言いかけた時、トイレのドアが開き、龍が二階の部屋に駆け上がっていった。
 ミカとケンジは後を追った。
 「龍!」ベッドに制服のまま倒れ込んだ龍にミカは近づいて言った。「どうした?腹が痛いのか?」
 龍は黙っていた。ミカは龍の頬をそっと撫でた。すると龍はいきなりその手を振り払い叫んだ。「僕に触るな!」
 「龍!いったい・・・」
 「僕の汚いカラダに触らないで!」
 ミカは振り向いてケンジを見た。ケンジは目配せをした。ミカは龍の部屋から出た。
 
 「もしかしたら、」ミカが口を開いた。「いじめかもしれない・・・。」
 「いじめ?」ケンジが言った。
 「あの子の頬に小さな傷がある。昨日穿いてたズボンに焦げ跡のような穴が開いてる。シャツのボタンが一つちぎれてる。」
 「昨日?」
 「そう。昨日。」
 「そう言えば、龍、昨日の晩も様子がおかしかったな。」
 「ずぶ濡れで帰ってきてから、ずっとああだった。あたしもおかしいとは思ってた。」
 「これまでズボンやシャツに変わったこと、なかったのか?」
 「一度もなかったね。」
 「いじめというより、誰かに暴力を受けた可能性も・・・・。」
 「そうだね、状況を見ると、そうかもしれない。」
 その日は、結局龍は学校を休んだ。ミカは担任には腹痛が原因だと伝えた。その時、昨日龍に変わったことはなかったか、と訊いてみた。しかし担任は特に思い当たることはない、と返すだけだった。
 ミカはとにかく龍の口から事情を聞きたかった。しかし時が経っても龍本人がそのことについて口を開くことはなかった。何かが彼の言葉を頑なに封印している。ミカは居ても立ってもいられなかったが、朝からケンジに焦りは禁物と言われていたこともあり、龍をいたずらに刺激することを我慢した。


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