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恋なんて知らない
【初恋 恋愛小説】

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恋しくてたまらない-4

「………俺も好きだ。」



…………えっ…?


耳を疑い、先生を見る。
先生は…優しく笑っていた。

「また問題になるかな、だけど…隠せなかった。」

「え、あの、えっ?私…」

混乱してる。
それだけは分かる。

「お前が来ないと、すごく寂しかった。」

えっ。

「えーっ!!!」

「あ、おいっ」

今まで出したことのないような大きな声が出て、視界がぐるんと反転した。

ごん、と音がして、目の前がちかちかした。

ぼんやりと天井が見えた後に、先生の心配そうな顔が飛び込んできた。

「まったく…大丈夫か?」

「あたま痛い、です…」

「当たり前だろ、あれだけ強く打って。」

先生が私の腕を取って、引き上げてくれる。

また目が合う。

その瞳は私がずっと見ていた、ずっと欲しかった瞳で、

「…畑本………」

気づいた時には先生の腕の中にいた。
さっきまで普通に話してたのに、先生の腕は強く私を抱きしめて、低い声に胸が締め付けられる。

「先生、」

戸惑いながらも先生の背中に手を伸ばすと、更に強く抱きしめられた。

「先生、ほんとに…?」

「本当だよ。」

「ほんとにほんと?」

先生は体を離して、私を見つめる。

優しくて愛しい大きな手で、私の頭を撫でた。

「ほんとにほんと。」

その顔を見たら、自然と涙があふれてきた。

「だって…だって、結婚は?」

「なんだよ、それ。」

「な、菜美子さんと、結婚するんじゃ…」

「菜美子と、会ったのか。」

私が頷くと、先生はため息をついた。


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