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悪意
【レイプ 官能小説】

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宮村 佳奈-1

名前 宮村 佳奈
年齢 17歳 
県内有数の進学校である私立刻ヶ谷高校3年生。図書委員。成績は優秀で志望大学への合格はほぼ確実。趣味は読書。両親は不仲で家庭内別居同然の状態が長く続いている。


 土曜日の午後宮村佳奈はご機嫌だった。足取りも軽い。実は先日同級生の高橋幸一からデートの誘いを受けたのだ。熱血そのものといった感じの高橋は野球部のキャプテンを務めていた。野球の実力と明るいおおらかな性格で女生徒の間では人気が高い。佳奈も例外ではなく一種の憧れのようなものを抱いていた。しかし先日その野球部も県大会準決勝で敗れ、高橋も受験のため部活を引退した。甲子園常連の野球名門高とあたり延長戦の末敗れたのだが、普通の進学高の野球部としては大健闘したと言えるだろう。そういうわけで、これから本格的に受験勉強を始めるという高橋に次の日曜日に一緒に参考書を選んで欲しいと頼まれたのだ。デート、というのはかなり違うかもしれない。でも大学受験の参考書選びの相手というのなら他にいくらでも成績優秀な人がいる。本好きの図書委員というのは理由にはならないだろう。それに彼女を誘うときの彼のちょっと緊張した感じ。もしかしたら「今日はありがとう。そこの公園で休んでいかない?缶コーヒーくらいおごるからさ」とかいう展開になって、「実はオレ、前から君のことが・・・」なんてことも・・・。そんな妄想がついつい彼女の口元を緩めてしまう。


「そんなことあるわけないよね」


そうつぶやいて佳奈は小さくため息をついた。彼女は高校の3年間の多くを図書室で過ごした。本好きというごく単純な理由なのだが、そんな佳奈はしばしば「宮村って絶対処女だよな」などと男子生徒たちから笑いのタネされている。そのことを彼女自身も知っていた。奥手な性格も手伝って彼女は男子と交際した経験もなかった。決して器量が悪いわけではない。むしろかわいい部類に入るだろう。わずかに茶に染めた髪は肩のあたりで綺麗に揃えられている。いつもかけている赤い眼鏡がトレードマークで実際よく似合っている。いろいろと細かいところにも気が回るし、常に一歩引いているような控えめで優しい性格。実は好意を持っている男子もそれなりに多いのだが、自分たちでネタにしているせいで告白などできなくなってしまっているのだ。そもそもネタとして話に上がる時点で人気があると言える。しかし佳奈はそっちの事情にはまったく気付いておらず、モテない暗い女という自己評価をくだしてしまっていた。そんな自分がまさか・・・。でももしかしたら・・・。淡く期待しては現実を思い出してため息をつく。そんなことを繰り返しながらもこの数日彼女は幸せな気分だった。

 午後7時。佳奈は図書室の鍵をかけ、鍵を返却しに職員室に入った。職員室にいたのは体育教師の田中だけだった。学生時代はラグビーをしていたという田中はがっちりとした体格を常日頃自慢にしている。


「図書室、時間終わりましたので、鍵お返ししておきます。」
一言声をかけ、鍵を所定の場所に戻す。すぐに帰ろうと思っていたのだが。


「宮村、悪いんだが少し体育館で明日の準備を手伝ってくれないか。時間はそんなにかからないから。」


「はい、分かりました。」


田中に頼まれ、佳奈は仕方なくうなずいた。正直気は進まないのだが、特に断れる理由もない。こういうときイヤとは言えない性格なのだ。器具を動かしたりするのは一人では大変なのだろう。仕方ないか。佳奈は田中の後に続いて、体育館の倉庫に入った。

体育館は無人だった。もともと部活など活発ではなく、この時間まで練習している運動部など1つもない。厚いカーテンで窓を覆われた体育館は真っ暗闇だった。田中は電気を付けると佳奈を先に倉庫に入らせた。当然倉庫内も真っ暗闇だ。佳奈が手探りで電気を付けると貧相な蛍光灯が薄暗く倉庫内を照らした。佳奈が完全に倉庫に入ったのを確認して、田中はわざわざ体育館の電気を消してから自分も倉庫内に入った。




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