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セフレごっこ。
【女性向け 官能小説】

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太一_はじまりの話-8

「……ははっ。太一、キス好きだね。」

『―――…うん、好き。』

(キスじゃなくて、お前が。)

「へー。そーゆうオトコもいるんだね。」

(元彼を思い出してんじゃねーよ、ばーか。)



そんな言葉に出来そうもないツッコミを入れていた時、ふと思いついたように朱里が口にした。



「―――あ、ねぇ。これってさ、セフレってやつ?」



……セフレって…

あの時俺がうなだれたのを、朱里は気づいてるのだろうか?…いや、気づいてる訳ねーか。お前を好きになったおかげで、俺は随分ポーカーフェイスに磨きがかかったから。



『…呼び方なんてどーでもいいよ。セクフレでも、ファックボディでも、ピローフレンドでも。』

「何それ?」

『同義語。』

「ははっ!そんなの初めて聞いた!」

『男の知識ナメんな。』



そんなくだらないやりとりがしばらく続いた。



いいさ、今はセフレで。お前が面倒と言いくさったものを、俺が時間をかけて与えてやる。んで気づいた時には離せないくらい大切なものだって思わせてやる。…俺が朱里に対してそう思ったように。

幸い、なんだかんだで三年も好きだったんだ。長期戦なんて今に始まったことじゃないし、苦手でもない。それまではこの“ごっこ遊び”につき合ってやるよ。



いつか気持ちを伝えられる、その日まで。


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