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セフレごっこ。
【女性向け 官能小説】

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太一_はじまりの話-7

『朱里……』



気づいたら、朱里を力強く抱きしめていた。少しだけからだを強張らせる朱里は、すぐに俺の胸を受け容れてくれ肩に額を置いた。



「太一……ありがと…」



弱々しい声。小さな震えがからだに伝わり、朱里の涙腺が決壊したことに気づく。

きっと朱里は、俺が涙を見ないように抱きしめたとでも思ってんだろうな。

ちげーよ、ばか。俺はもっと自分本位だ。朱里を自分のものにしたくて、でも自分が傷つくのも怖くて、今まで何も出来なかったただの臆病者だ。



「…太一…ごめん、も、大じょぶ…」



小さく鼻をすすり顔を起こす朱里。一瞬だけ、視線が絡まったが朱里はすぐに俯いた。長いまつ毛の先に雫が輝く。そんなものすらキレイだと思った。吸い込まれるように、涙を唇で拭った。



『…目。瞑って。』

「……太一…」



朱里の表情はあまり変わらなかったけど、何年も見ていただけあって呆気にとられているのがわかる。朱里が目を閉じようとしない為そのまま薄い唇にキスを落とすと、さっきよりもずっと強張っていたからだは次第に俺の唇を受け入れてくれた。







それから…それから。

具体的にどんなことをしたのか、正直俺は覚えていない。セックスにあんな夢中になるなんて中学生以来だった。



「ン…ん、ぁアん…や、恥ずか…ンぁっ」

「たい、ち…ンんっ!あっ、そこやだ…やァ、ん!」

「た、いちィ…!も、ダメダメ…太一ィ!」



記憶に残っているのは、朱里の吐息。甘ったるい声で語尾を伸ばす鳴き声。フリージアの香りに、少しだけ混じった汗の匂い。俺を抱きしめる華奢な腕に、まとわりつくやわらかな脚。下で身を捩じらせる、ふやけた表情。

俺はもういっぱいいっぱいで、朱里のそんな反応見たさで手やら舌やら腰やらを必死に動かしていただけだった。―――あ、一言だけ声を発したかな。



『朱里…っ…朱里―――…!』



記憶が鮮明になるのは情後だ。

腕まくらで朱里をうしろから包み、うなじに、肩に、耳にたくさんのキスを落としていた時。背を向けたままの朱里が笑った。




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