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甘い時間
【同性愛♀ 官能小説】

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甘い時間-2

 あのとき、わたしはまだ23歳だった。

 会社でも任される仕事はそれほど多くなく、定時になれば職場を離れて、同僚の女の子たちと共に毎晩のように飲みに出かけた。できたばかりのオシャレな居酒屋、いい男が集うと噂のショットバー、そうでなければ彼を誘う前の下見を兼ねて、夜景の綺麗なレストラン。

 まだ若いわたしたちにとっては、夜の街そのものがとても魅力的だったし、女の子同士で秘密の話を繰り広げる時間はなによりも特別なものだった。

 同僚の中でも、特に優希と過ごす時間は楽しくて、みんなで飲みに行った後、さらにまた店を替えてふたりだけで遅くまで話しこむようなことも多かったと思う。

 如月優希。きさらぎ、という音の響きに加えて、ゆうきという男でも女でも通用しそうな名前が彼女の中性的な魅力に拍車をかけていたような気がする。

 女性にしては背が高く、170センチを少し超えるくらい。ショートヘアで常に形の良い両耳を露わにし、目鼻立ちのはっきりとした顔の中で、まるで何かに挑む様な強い瞳が揺らがない意志を感じさせた。すらりと細身で、仕事の日はいつもパンツスーツをピシリと着こなす。

 洋服の上からでは女性らしい凹凸を見ることはできないけれど、ふと何かの拍子にシャツの奥に見える肌の白さと、意外と華奢な首筋にドキドキさせられることがある。

 外見に違わず、彼女は男性にも負けないくらいの業績を上げていたし、同期の女性の中では唯一の幹部候補生と社内でももっぱらの評判だった。まったく、うらやましい話。こっちはどんなに頑張ったって優希の半分も業績を上げられないっていうのに。


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