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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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加藤エリナという女-10

 そんな関係にもまた終わりが訪れた。ある模擬試験の帰り道、家庭教師を紹介してくれた友人が言いにくそうにエリナにこう切り出したのだ。

「エリナ・・・あの家庭教師の先生とエッチしてるって、本当?」

「えっ?」

「あ、あのね・・・エリナはそんなタイプじゃないって知ってるし、斎藤君のこともあるし・・・嘘だと思うんだけどさ・・・」

 斎藤というのは同じ学校の男子生徒で、エリナと家が近いこともありよく学校の行き帰りが一緒になっていた。明るく話が面白いので、誘われるままに映画に出かけたりすることもあった。そんなふたりの様子を見た友人たちは、勝手に「恋人同士」と決めつけていたが、特に不便を感じることも無かったのでエリナは否定することも無くそのままにしておいた。

 ともあれ、エリナは裏切られたような気持ちになった。友人の話によると、どうもあの男子学生は大学の中でエリナとの関係を仲間に自慢げに吹聴しているようだった。それが友人のところを担当している家庭教師にも伝わり、噂話として友人の耳にも入ったということだ。

 ふたりだけの秘密だって言ったのに。エリナは悲しくなって、涙をぽろぽろと流した。何を勘違いしたものか、友人は「家庭教師の先生に変なことされたりした?そうだったらわたしにも紹介した責任あるし・・・」と申し訳なさそうにしながらエリナをなぐさめた。

 勝手にべらべらと自分たちの関係をバラしてしまうような男に、もう用は無かった。エリナは友人に「実はずっと口では言えないようなことをされてきたけど、誰にも相談できなかった」と泣いて見せた。エリナの両親が他界していることを知っている友人は、すぐさま自分の両親を通じて件の男子学生が通う大学に通報し、学生は退学になったと聞いた。直後に納得いかないと包丁を持ってエリナの家を訪れた男子学生は、あっさりと警察に捕まりエリナの前から姿を消した。

 どうしてうまくいかないのだろう。わたしはただ、静かに男と寝たいだけなのに。

 それからしばらくの間、エリナはまた鏡の前で自分を慰めながら、必要なだけの勉強をして第一志望の大学に合格し、大学の中でも高校時代と同じようにそこそこの友人をつくり、数々の試験をこなし、3年生の冬には望む企業への内定が取れた。


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