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イソギンチャクの夜(触手)
【獣姦 官能小説】

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イソギンチャクの夜-4

 くせのあるスパイスのような?上司が吸っていた葉巻のような?わからない。そんなことを思っているうちに奇妙な匂いが体の奥深くまで染み込んできた。少し気分が悪くなって、床にうずくまる。呼吸が荒くなり、心臓の鼓動が速くなる。意識がぼんやりと遠くなり、視界が霞む。これは・・・なに・・・?

 こんなところで、ひとり寂しく死ぬのかしら。まあ、それでもいいや。どうせくだらない人生だったもの。

 生への執着をあきらめた瞬間、今度は体の中心が考えられないくらいに熱くなってきた。お腹のまわりから腰、そして・・・その、恥ずかしい部分がぐんぐんと熱を帯び始めた。全身が汗にまみれて、苦しいほど暑くて、わたしは床を這いずりながら身に着けていたものを引き剥がすようにして脱ぎ、全裸になった。

 真冬の、雪でも降りそうなこんな夜に、暖房ひとついれていないこの部屋がどうしてこんなに暑いの?この苦しさは何なの?
 
 苦しい。苦しい。心臓がぎゅうぎゅうと締め付けられる。体中から汗が噴き出す、。
 
 混乱と恐怖、そして股間にある熱い快感。そんなことをしている場合じゃないのはわかっているのに、たまらない気持ちになってわたしはその熱くなった部分に指を這わせた。

 心臓の鼓動は異様なスピードで打ち続ける。指には自分の粘液が絡みつきぐちゅぐちゅと音を立てる。そこから漂う潮の香り。気持ちいい。苦しい。中指と人差し指を挿入する。

「ああっ・・・!!」

 痺れるような快感が体を貫いた。死んでしまいそうな苦しさの中で、自分の指が与えてくれる快楽に溺れた。やめられなくなり、さらに奥へと指を挿れて激しく動かした。足りない、これじゃいけない。もっと欲しい、もっと欲しい。

 
 そのとき、あの黒い箱から。

 触手たちが、ずるずると這い出してきた。


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