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僕と彼女と九月の苺
【その他 官能小説】

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僕と彼女と九月の苺-1

「苺が食べたい」
そんなことを言い出すから、僕は真夜中のコンビニを梯子して走り回ることになる。
九月のこの時期に、苺を売っているところなんか何処にも無いことを僕はわかっちゃいるのだが、それでも一縷の望みを託してあっち、こっち。
ローソン、ファミマ、ミニストップ…。いくつもいくつもコンビニを覗いてはまた飛び出してゆく。
君が僕を困らせようとか、意地悪で言ってるんじゃなくて、本当に苺を食べたくて言ったから…余計にタチが悪い。
結局、僕は部屋の近所のコンビニで、苺が入ったデザートを何種類も買い込んで君の元に戻る。
「やっぱり…」
君はスウスウと寝息を立てて眠っている。
それだってわかってたんだよね。
僕はコンビニの袋ごと買ってきたデザートを冷蔵庫に押し込んで、君を起こさないように部屋の隅に座布団とかクッションとか積み重ねると薄いタオルケットを巻き付けて眠る。

なんだか妙に眩しくて寝ぼけた目を開いたら、カーテンは大きく開かれて暑くなりそうな予感を秘めた朝の日差しが僕に直接あたっている。君は先に目覚めてて、夕べ僕が買ってきた苺のゼリーなんか食べてる。
「おはよう、起きた?」
なんて言われると、僕はちょっとムッとしたりするんだけど全然無駄なことだから、怒ったりはしない。
「コーヒー煎れてあるよ」
なんて言っても、それが僕の為に煎れられたものじゃ無いことは、かっきりカップ一杯分減ったポットを見ればわかるよ。
ポリポリ頭を掻きながら立ち上がった僕に、
「シャワーなら先に使わせて」
なんて…。
先に起きたんなら、先に入ってたらいいのに。
喧嘩なんてする気も無いから、僕は行き先をキッチンに変えて水を飲む。後ろで君が立ち上がりバスルームに消えてゆくのをコップ越しに見送ったりなんかしてる。
君はシャワーを浴びなきゃ僕に体を触れさせたりしないこと、わかっているから少しだけ淡い期待なんかしちゃってたりする自分に呆れるよ。
ベッドに背を持たせかけ、コーヒーを飲みながら煙を吐き出してる僕の前にバスタオルだけ巻き付けて君が現れるから、僕の期待がかなり現実的に形になって起き上がったりする。
手を伸ばしたら触れられる位君が近づいたらそのままベッドに押し倒しちゃおうかな?なんて不埒なことを考えてる僕の前で、小さいタオルを引き出しから取り出して君はバスルームに戻ってゆく。
髪、乾かすんだね。
君の髪がすっかり乾いてサラサラ君の顔の横で泳ぐまで僕の野望は棚に上げられてしまうんだ。
(やれやれ…)

綺麗に整えられた髪を弾ませながら、君はいきなり僕の胸に飛び込んでくるから飲みかけてたコーヒーがこぼれてしまった。
はぁ…どうして君のすることはいつも突然なんだろうね?
なんて言っても仕方の無いこと。
僕の目をのぞき込む君の瞳を見てたら、僕の腕は勝手に君の体を抱きしめにいってしまうから
「欲しくなっちゃった」
って、甘えた声で君が言っても、まるで僕の方から君を求めたみたい。
ま、いいんだけどさ。
君の唇が僕の唇に重なって、乱暴なほどに吸い付いてくる。
あっ…煙草消さなくちゃ…
なんて僕は不自然に身を捩らせながら灰皿に手を伸ばす。
朝のセックスは、どうしてこんなに性急に求めてしまうんだろうね?
君は、スゥェットもトランクスもひとまとめに僕の体から引き剥がそうとするから僕の体はベッドに押し倒されてしまう。
さっき僕の頭に浮かんだ不埒な想像は反対だったのに…はぁ、まだ君の体のどこにも触れて無いよ。
君の手が僕のペ○スを無理矢理引っ張り出して手のひらでクルクル撫で回すように弄ぶから、僕の半端だった欲望にたちまち火が点いてしまったじゃないか。
君の唇からこぼれるように落とされた熱い吐息に後押しされるみたいだ。
僕のペ○スを握った片手はそのままにしておいてあげるけど、僕の肩を押してるもう片方の手は自由にはさせないから。
手首を掴んで腕を君の背中に回したら君は仰け反るように上を向いて、無防備に僕の唇を受け入れるしかないんだよ。
バスタオルからこぼれた君の乳房に唇をあてて、立ち上がりかけてる乳首に舌を伸ばす。
じきに固くなってくるから、ほら、小鳥みたいに鳴いてごらんよ。
君の声がたまらなく好きなんだよね。
ああ、そうだ…カーテン開いてたんだっけ。窓も少し開いてるんだ、さっき煙草を吸ってたから。


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