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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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焔の決断-5

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「あはは〜ラインとキャラって目が似てる〜」

 床に座ったラインハルトの顔を掴んで真正面から見つめるエンに、キャラは嫌そうな顔をした。

「エンさん、知ってるかもですけど兄さんはゲイですよ?そんな事したら襲われますよ?」

「襲われるぐらいなら襲っちゃおうかなぁ〜?」

「はっはっは、嬉しいなあ」

 ぐでんぐでんになった酔っ払い2人に、キャラは見切りをつけて部屋から出ようとする。

「あ、キャラ〜アビィ連れてってねぇ」

 もしもの為に、と言うエンにアビィは頷いてキャラの胸に飛び込んだ。

「これ以上はダメですよ、おやすみなさい」

 アビィを抱いたキャラは酒瓶を取り上げて、今度こそ部屋を出ていった。
 キャラを見送ったエンは視線をラインハルトに戻してまじまじと瞳の中を覗く。

「ん〜…そうでもないか……ラインの方が深い色だね〜」

「そうかい?」

 ラインハルトは襲いたい衝動をなんとか堪えてエンを見つめ返した。

「そろそろ離してくれないと本気で襲いそうなんだけど?」

「あはは〜」

 ラインハルトの台詞にエンは笑うと、自分から唇を重ねる。

「っ!?」

 ギクリと体を強ばらせたラインハルトに、エンは喉を鳴らして笑い、更に唇を押し付けた。

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 ここまで思い出したエンは青くなって片手で自分の口元を覆う。

「エン?」

「うわぁ〜ごめん……マジで僕から襲ってる〜」

「思い出した?」

「キスしたとこだけ」

 エンは申し訳ないようにラインハルトを見上げた。
 ラインハルトは苦笑してエンから体を離すと何事も無かったかのように窓の外に目をやる。

「!キャラ、おはよう」

 窓の外は庭になっており、そこでは騎士団に混じってキャラが朝練をしていた。

「兄さん、おはようございます。二日酔いでしょう?」

「私は大丈夫だよ。エンは潰れてるけどね」

「あはは、エンさんお酒弱いから……朝食を一緒にどうですか?20分後、下の食堂で」

「分かった」

 短い会話の後、振り向いたラインハルトは首を傾げてエンに聞く。


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