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氷の解けた日
【SF 官能小説】

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ミアのはかりごと-1

 私はカリアに連れられてミア老婦人のところに戻った。
すると庭で遊んでいた少女達が一斉に集まって来た。
そして1人ずつ私にキスをして来た。
 小さい子は軽くほっぺにしたりしたが、だんだん大きくなると唇にするようになりハイティーンの子は舌を入れて来たりした。
 そして、私にキスした後の子達の顔を見るとみんな年齢の違うミアになっていた。
 そしてミア老婦人の中に重なって入って行き、最後はミア老婦人がたった一人だけ残った。私はミア老婦人を驚いて見ていた。

「ハヤテさん、ごめんなさい。でもこれで私の願いが叶いました。
 あなたと交わった経験・あなたにキスした経験は私の分身と一緒に共有することができるのです。
 今の私はあなたとセックスしたことが遠い思い出のように感じています。
私の14才のころの記憶として捉えていますから。
 14才のときの私は狂おしいほどあなたを求めていたのです。
14才のミア……カリアはあなたにずっと仕えたいと言っています。
けれど今度はあなたが求めない限りあなたを襲うことはしないと言っています。
カリアは頭の働きも分身の中では一番良い子です。
カリアは最新の技術を常に更新していますので、彼女を連れて行ってもらいます。
 あなたは気づかなかったかもしれませんが、さっき娘達があなたに次々にキスしていたときに彼女はあなたのからだの中に潜り込みました。
だから、あなたはいつでもカリアの最新技術を使うことができます。
マチモリの知識がそうであるように、カリアの知識も自分の頭で考えた知識のように使えます。
 でも、お願いがあるのですが、ときどきここに来てカリアを私達に合わせてください。 私達分身は常に自分が見聞きしたことを分かち合うようにしなければ統合失調症と似た症状になってしまうので、お願いいたします。」

 すると私の体の中からカリアの声が聞こえた。胸のあたりだ。

「おばあさま、まだあのことをハヤテさまに言って許してもらってないでしょう?」

 私は何のことかと思ったが、ミア老婦人は頭を下げた。

「そうです。実はまだ謝らなければいけないことがあるのでした。
ハヤテさん、アニョンさんを白雪姫のアバターに閉じ込めたのは私です。
その前にアニョンさんを食べた龍を唆したのも私です。
今あなたと合体しているマチモリも私の計画に協力してくれたのです。
あなたのアバターを普通の電子セックスできない体にしたのは私と交わる前に他の女性と交わってもらいたくなかったからです。
先ほどのようにセックスできる技術を持っている女性アバターは殆どいない筈ですから。 でもその技術はカリアに言えば好きな相手と同じようにセックスできるように修正してくれる筈です。
どうか女の汚いエゴを許して下さい」

 私は何も言えなかった。自分の子孫とセックスしたことも、それが計画的に進められたということも、ただただ驚くばかりで怒りは不思議におきなかった。
 もうそのときには私のそれまでの倫理観が壊れて14才のミア……カリアとのセックスに対する罪意識が私の中で薄れているのに気づいた。
 そして私の体内に潜むカリアの存在を愛おしく思っている自分がいた。
それは恋人とは違う、自分の愛しい子孫に対する感情のようだった。


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