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あまこい
【学園物 官能小説】

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不安-1

 放課後、ジュンは格技館へ向かう途中、ジュンに女の子が声を掛けてきた。

「君、佐々木君よね?」

どうやら女の子は先輩らしい、ジュンは眉をひそめて言った。

「はい、そうですけど、何か?」

「君、槙野さんと付き合ってるって本当?」

ジュンはいきなりの質問に、面食らいながら女子の顔を見た。

「何ですか?」

女子は警戒心があるジュンの顔を見て、機嫌をとるようにジュンに接する。

「私、槙野さんと同じクラスの吉沢咲って言うんだけど、ちょっと槙野さんのことで君と話したくて」

ジュンは歪めた眉を戻すと、目を丸く見開きながら言う。

「それって、僕と彼女じゃ釣り合わないっていう忠告ですか?」

「えっ、違う違う、あ、そうでもないか、でも今君が思っているような事じゃないよ」

「でも、忠告なんですよね」

「そうなるわね」

「なら良いです、聞きたくありません。失礼します」

ジュンは吉沢に一礼すると、彼女から立ち去ろうとした。

「槙野真琴の噂って知ってる?」

吉沢の言葉にジュンは立ち去ろうとした足を止めた。

「噂、ですか?」
吉沢は頷いた。

「槙野さんの噂は女子の中では有名でね、嘘っぽく聞こえるかもしれないけど、槙野さんは遊び人よ。それもたちの悪い遊び人」

「何です、遊び人って」

「彼女、男遊びをしているのよ、色々な男と寝ているらしいの」

ジュンの顔が強張り、目が泳いだ。全く予期しない言葉に何て言えば良いか分からない。黙り込むジュンに追い詰めるように吉沢は言った。

「君は彼女に遊ばれているのよ、悪い事は言わないは、彼女と別れなさい」

ジュンは反論できなかった。吉沢の話す噂は初耳だが、バス停での彼女を思い出すと否定できないのだ。それでもジュンは否定したかった。見知らぬ人に真琴の事を言われのが何だが腹立たしく感じた。

「そんなこと……ないです」

「え」

ジュンの言葉は小さくて吉沢は聞き直した。その途端ジュンは爆発したように顔を真っ赤にして叫んだ。

「そんなことない!あんたに彼女の何が分かるんだよ。僕は槙野真琴を信じてるし、これからも彼女のことを嫌いになんかならない、絶対に僕はそんな噂信じない、だからもう彼女にも僕にも関わらないで下さい」

ジュンは叫んだあと一礼して吉沢から去って行った。

放課後であったため周りには人が殆ど居なく、吉沢は一人ジュンの怒鳴り声に驚き、呆然と立ち尽くしていた。

ジュンは吉沢と別れて校舎を出ると、そのまま自宅へと帰えった。

部活もやる気が起きない、真琴が図書館で自分を待っていてくれていることも知っているが、彼女に会う気持ちにはならなかった、それに彼女を待ちぼうけさせる罪悪感も湧かなかった。ジュンの中で少し、真琴が憎いと言う気持ちが芽生えていた。


翌日、剣道部の朝練に顔を出したジュンは昨日無断で部活を休んだことを顧問の先生と先輩に叱られ、朝練と放課後の練習は正座での声だし稽古をさせられることになった。

朝練を終え、ジュンは教室に入ると教室には佳奈の姿はなかった、授業が始まっても佳奈は教室に姿を見せず、ジュンは佳奈が学校を休んでいることに少しホッした。同時に自分に対しての卑怯な心を恥じたが、今は佳奈の顔を見たくはなかった……


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