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あまこい
【学園物 官能小説】

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佳奈-4

 昼休みに入り、教室では昼食を取り始めていた。

いつもならジュンも教室で男子と昼食を取るのだが、二学期から教室ではなく、格技館で一人昼食を取っていた。今日もジュンは佳奈から逃げるように、格技館へ向かう。

「ねー、最近の佐々木、本当に変よね、いくら県大予選がダメになったからって、あそこまでしなくてもいいんじゃない?」

佳奈と昼食を取っている亜美が佳奈に聞く。佳奈は苦笑いをしながら返した。

「そうかな、本人しか分からないけど、よっぽどだったんじゃない、ジュンちゃん、これって思ったらそれにしか向かないから……」

「そう、私には何かに怯えてるように思えるけど」

その言葉に佳奈はハッとする。前から亜美は感のいい娘だなと、思っていたが、こんなにも的確に当てられると、驚きを通り越す。

「アハハハ、ジュンちゃんが怯えてる?ないよ、それに何に怯えてるの、ハハハ」

「うーん、佳奈に?」

「……」

げっ、と思いながら亜美から目線を逸す佳奈は、空笑いをせざるをえなかった。

「アハハハハ」

亜美の目が光る。

「あんた達、何かあったのね」

「アハハハ………」

佳奈の空笑いが静まった。亜美は鋭い目付きをし、佳奈に再度聞く。

「で、佐々木と何があったの? 佐々木のあの態度からして尋常じゃないと思うけど」

佳奈はため息混じりに言う。

「尋常じゃないのよ、どうしていいか分からなくて……」

「ふーん、どんな事?」

「…言えない。言えないよ、尋常じゃないもん……」

佳奈は俯く。

「そう………友達のアドバイスとしては、佐々木と話しな、避けられていても、話さないと解決しないから、話しな」

「…うん……」

佳奈は小さく頷いた。佳奈の表情が次第に曇る。

「で、あんたの彼氏はどんな感じ?」

亜美が佳奈の表情を見、話題を変えてきた。

「え…彼氏……」

だが、話題を変えても佳奈の表情は変わらない。

「そうよ、3組の堀田君と付き合ってるんでしょ、堀田君ってちょっとヤンキーぽいけど、どうなの?」

「どうって、普通だよ」

「へー、普通ね。佳奈は堀田君のどこが好きなの?」

「どこって……」

黙り込む佳奈、亜美は呆れた表情をしながらため息を吐いた。

「はぁー、あんたそんなことしてると、いつか痛い目あうよ」

「わっ私、ちゃんと考えてるよ、堀田くんのこと。堀田くん優しい人だよ。えっと、えっと、堀田くんは、堀田くんは」

「もういいよ、佳奈の気持ちは分るから、でも、あんたのやっていることは逆効果よ。あんたって単純なように見えて、こじれた事やらかすのよね、それでも憎めないのがあんたなんだけど。先ずは向き合いな、あんたのやらかした事片付けな」

亜美の言葉に黙り込む佳奈、何も言い返せない。佳奈は俯きながら、小さく返事をした。

「……うん」

おちこむ佳奈に、亜美はそっと彼女の頭に手を乗せ、撫でた。


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