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少女の頃
【ロリ 官能小説】

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第3章-1

夏の陽射しが照り付ける昼下がりの午後…、辺りは蝉の鳴き声が響き渡っていた。周囲を樹々に覆われた田舎道を一台の自転車が走り抜けていた。赤と黒に染められた子供自転車の自転車にペダルを踏み込んで走っているのは赤茶色のショートヘアーに、キッズ帽を頭に被った少女だった。まだ見た目の容姿から小学生位の雰囲気を見せる少女は、夏の照り付ける太陽の下を汗をかきながら、田舎道を必死に走っていた。
自転車を走らせて、少女は古い雰囲気を漂わせる大きな家へと向う。昼下がりの午後でありながら、その家周辺は、少し薄暗さがあった。家の全ての窓が開けられて、開放感いっぱいの家には、小家族が住んでいた。近所に住む人達からも長閑な家族達と評価される一家であったが、その日は普段の落ち着きが失われ、慌ただしい雰囲気があった。
家の玄関前に自転車を止めた少女は、駆け足で家に飛び込んで行く。
「ねえ、ママ、ルイちゃん見つかった?」
少女アキは、大声で言う。
「チョット、いきなり大声で話し掛けないでよ。…あ、はい…分かりました」
アキの母は、電話の受話器を切ると、アキの近くへ行き、腰を下ろして話す。
「今、村の役員達からの連絡で、ルイちゃんの行方不明捜索に全面的に協力してくれるそうよ。あと...ユウイチ叔父さんからの連絡で、警察署が誘拐事件として動いてくれるらしいわ」
「そんな事しても、見つからなければ意味無いじゃない!どうして大人達は、直ぐに動いてくれないのよ。もしかしたら、何処か遠くに連れて行かれてしまっているかもしれないのに...。ヤダヨそんなの…」
「ワガママ言うのではありません!行方が分からない今こそ、落ち着いて判断するべきなのよ。下手に動いて、私達まで被害にあったらどうするの?」
始めて母に大声で怒られたアキは、一瞬言葉を失った。
アキの目から涙が溢れ出てきた。
「私、ルイちゃんと約束したのに…、何かあったら私がルイちゃん守ってやるって…。なのに…全然約束できなかった…どうしよう…」
アキは、母の膝の上に屈み込み、大声で泣き叫んだ。母は、優しくアキの髪を撫でる。
 「きっと助かるって、そう...信じて待ちましょう...」

〜薄暗い室内
薄暗い部屋の中、誰もいない室内に、小さな人影が横たわっている。眠っているようで、身動きが無かった。薄い闇の中に、少し光りが漏れて、人影の姿を晒しだす。人影の正体は、小さな少女だった。まだ幼さが残るあどけない顔立ち、深く閉じた瞳に連なる長いまつ毛…。眠っているその姿は、まるで大きな人形の様にも思えた。少女は、緑色の花柄模様のワンピースの衣服に身を包んでいた。
そんな少女が眠っている姿には、不自然な箇所が見えた。両手足には、手錠が掛けられていて、まるで逃げ出さない為に、誰かが掛けた様である。手首は身体の後ろに掛けてあり、身動き出来ない様にしてある。顔にも口にはテープが貼られ、声が出せないようにされていた。
少女は、監禁されていた。

〜夕方…
古い大きな家に複数の車が集まって来た。パトカーが数台サイレンを鳴らして押し寄せてくる。アキの母は、集まった近所の人達とで、何か話しをしていた。事件と言う異質の世界に足を踏み入れたアキは、一人二階の寝室から外の様子を見ていた。
地元のテレビ局のリポーターや、取材関係者等が家に来て情報収集を行っていた。家に何人もの関係者達が押し寄せて来た。かつてこれ程までに家に、多くの人が詰め掛けた事などなかった…。一昨年アキの祖父が他界した時でさえ、この半分程の人が来た程度だった…。少女誘拐事件なると、世間のマスコミが押し寄せて来る、それも普通の少女とは違う意味での女の子…。赤いボディーの四駆の車が家の庭へと入って来て、ユウイチが車から下りて来た。ユウイチは詰め掛けた報道陣の人達に押し寄せられながら家の中へ入る。
母も家の中へと入る。その様子を見ていた。アキは二階の寝室から下の部屋へと下りて行く。
下の部屋には、父と母、ユウイチの三人の人達と、近所に住む人…数人の関係者が集まっていた。
「ルイちゃんの行方不明の一件は、誘拐事件として上菊警察署が捜査本部を立ち上げて、情報公開として全国に報道したそうだよ。あと…姉貴夫婦にも連絡を取っおいた、仕事を休んで準備が出来次第、直ぐにこっちに来ると言ってた」
「こんな事態になってしまうなんて…、お姉さん達には深くお詫び申し上げないと…、反省の言葉も浮かばないわ」
「それにしも、異常な程、人が詰めかけているな…こんなにまで騒ぎが広がるとはな…」父の側に付き添う村の役員の男性が呟く。
「まあね…、行方不明になった子が少女で…。その女の子が今、世間で人気上昇中のアイドルタレントだったと分かれば、そりゃ世間が賑わう筈だろ?」
「え…なに?ルイちゃんって…人気アイドルの?もしかして…あの島谷ルイちゃん?そんな事ある訳ないだろう?なあ…ヤマさん、アンタもそう思うだろ?」
彼は父の肩を掴んで言う。父は「ハハハ…」と、愛想笑いをしながら「なあ、ゲンさん、ちょっとテレビでも見るか」
父は、リモコンでテレビのスイッチを押す。現れたニュースの中継画面に上菊市警察署が現れ、リポーターをしているキャスターの右下の字幕に「有名子役アイドル行方不明」の文字が出ていた。
「本当だったのか…」唖然とした表情で、ゲンと言う男性は画面を見る。
「本人の要望で、俺達身内との関係は、これまでずっと世間には伏せていたんだよ、身内に迷惑がかからないように、あの子なりにイロイロ気を遣ってくれてたのだと思うけどね…、まあ今となっては過去の話なってしまったけど…」ユウイチがゲンに向かって話す。


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