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さよならメモリーズ
【二次創作 恋愛小説】

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『さよならメモリーズ』-3

今日は卒業式――。
そう君との一緒に帰る最後の日。

予想通り早く桜が咲いた坂道を楽しげに歩く君の背後に、またいつか会える日を願って「さよなら」って小さく呟いた。
空は君と過ごした日と変わらず青くてちょっと泣けてきた。

あたしは少しでも君と一緒にいたくて、いつも君と別れる道に行かず、気付かないフリをしながら君についていく。「あれ?こっちじゃないよね?」と君が聞く。あたしはおどけて「間違えた!」って笑った。君がバカにして笑う。その顔が眩しくて目をそらした。

言葉じゃうまく言えない。
この気持ちを胸に抱いていつもの坂道を歩く。
君は覚えてるかな。二人きりの夕暮れの帰り道で君は、いつも名字で呼ぶのにあたしの下の名前で呼んでくれた。

ずっと忘れない。
ホントに出会えたこと感謝してるんだ。


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