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不幸同盟
【アクション その他小説】

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<殺戮病院>-2

「嫌よ、せっかく助けたのになんで離れないといけないのよ、それにいたいけな少女を囲んで男として恥ずかしくないの?」
「どこがいたいけな少女だ、ドアを壊せる女がいたいけな少女なわけないだろ」
「もう、ひどいわね」
男達は銃を取り出し、銃口を亜百合に向けた
「もう一度だけ言う、その少年から離れなさい」
「もし、嫌と言ったら?」
「殺すまでだ」
「そっか、じゃあ、答えは嫌よ」
「なら、死ね」
男達は発砲するが、銃弾は亜百合に当たる前に溶けて床に落ちた
「ナイス♪栖羅」
「何をしたんだ」
「〈侵入菌死領域〉(ウィルス・テリトリー)で防がせてもらいました」
男達は亜百合達に近づこうとすると
「近付かない方が良いよ、〈侵入菌死領域〉は無色透明の菌を周りに浮かせて、近づくものは何でも溶かすから、その証拠に銃弾が溶けてるでしょ」
男達は動きを止めた
「だから、通してくれると嬉しいんだけど、嫌なら溶かすよ」
「くそっ」
男達は道をあけた
「ありがとね、賢い選択だよ♪」
亜百合達は男達の間を通り過ぎると亜百合は振り向き
「追ってこられると面倒だからちょっと寝といて」
野球ボール位の黒いボールを取り出して男達の足元に投げると破裂し、黒煙が包み込むと男達は倒れた
「何をしたんですか?安穏会長」
「ただの催眠ガスよ、効力は一時間位だから急ぐわよ」
「はい」
亜百合達は出口へと向かった

「やっと出口に着いたわ、早く出ましょ」
亜百合がドアを開けようとすると
〈神崎 栖羅様、あなたの退院許可が出ていないので、出ることはできません〉
アナウンスが流れるとシャッターが閉まり、行く手を防がれた
「残念だったわね、お嬢ちゃん」
亜百合達が振り向くと伊津瑠が立っていた
「なんでシャッターが閉まったのかしら?」
「さっきも言ってた通り、退院許可が出されてないからよ」
「そうですか、なら壊すだけよ」
亜百合がシャッターを殴るが傷一つ付いてない
「どうして?」
「そのシャッターは核爆弾でも壊すことができない特殊な金属で出来ているのよ、もちろん防菌加工もされているから溶かすことも無理よ」
「じゃあ、あなたを倒してからゆっくりと別の出口を探すわ」
「できるかしら?」
伊津瑠は数本の注射を亜百合達に向けて投げるが、当たる前に溶けて床に落ちた
「〈侵入菌死領域〉ですか?これはやっかいですねって言うと思いましたか?」
「どういう意味?」
「実はその注射器の中身は、空気に触れると毒ガスになるんですよね、もちろん死にはしないわよ♪ちょっと気を失うだけよ♪」
「なんですって」
亜百合達は毒ガスを吸って、倒れた
「さてと、今度は逃げられないように神経を麻痺させる薬を打ちましょ」
伊津瑠が亜百合達に近づき、栖羅に注射しようとすると腕を掴まれた
「捕まえたよ♪看護士さん」
「どうして、確か毒ガスを吸ったはずよ」
「えぇちゃんと吸ったわよ、でも残念だけど、あの程度の毒で私の気を失わせることなんてできないの♪」
「どういうこと?」
「私も特異体質なのよね、体質名は〈幸運を呼ぶ幸福〉(ラッキーオアラッキー)よ」
「〈幸運を呼ぶ幸福〉?そんな体質聞いたことないわ」
「聞いたことないのは当然よ、極秘中の極秘だもの」
亜百合は伊津瑠を壁に投げつけた
「ぐはっ」
亜百合は伊津瑠に近づき
「お願いがあるんですよね、看護士さん♪栖羅の退院許可を出してくれませんか?」
「嫌よ、絶対に」
伊津瑠は立ち上がり、注射器を取り出し自分の腕に打った
「ぐぁぁ」
伊津瑠の姿が狼人間になっていた
「なにをしたの?」
「〈殺戮病院〉で発明した〈野獣化〉(ビースト)を打ったのよ」
「〈野獣化〉?」
「その名の通り、野獣の能力を使えるようになる薬よ」
伊津瑠は亜百合に襲い掛かった
「たとえ狼人間になろうとも、私には勝てないわよ」
亜百合は伊津瑠のにして床に叩き付けた
「ぐはっ」
「もう一度だけ言うわよ、退院許可を出しなさい」
伊津瑠は亜百合を睨みながら
「絶対に死んでも嫌よ」
「じゃあ、仕方ないわね」
亜百合は伊津瑠の頭を持ち上げ、壁に投げつけた
「ぐはっ」
亜百合は携帯を取り出し、電話をかけた
「もしもし海月、ハッキング出来ているなら、栖羅の退院許可出しといてね、頼んだわよ」
亜百合は栖羅に近づき、背負った
「待ちなさい」
「しぶといわね、痛めつけたのに気絶しないなんて」
「神崎 栖羅を置いていきなさい」
「嫌よ、栖羅は私の大事な下僕だもの♪」
「きっと後悔するわよ」
「後悔なんてしないわよ、私が正しいと思ってした事だから、それとあなたの上司に伝えといてくれない?」
亜百合は伊津瑠の方に向き
「今後、私の大事な下僕に手を出したら、私の持てる力を使ってあなた達を潰すって、じゃあね、看護士さん♪」
シャッターは上がり、扉が開くと執事が立っていた
「お疲れ様です、亜百合様」
「べつに疲れてないわ、神楽、悪いけどこのまま〈黒楼学園〉へ向かってくれる?」
「かしこまりました」
亜百合達は車に乗り、〈黒楼学園〉に向かった


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