投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Crimson...Side story
【ファンタジー 恋愛小説】

Crimson...Side storyの最初へ Crimson...Side story 12 Crimson...Side story 14 Crimson...Side storyの最後へ

White Day -side;arrk--4

「な、なんで寝てんの!?」


 目覚めて第一声がコレだ。
 顔を真っ赤にして、この状況を信じられないと言った顔でオレを見下ろしてくる。溜息が出そうなのを抑えて、身体を起こした。


「お前がシャツの裾掴んだまま離さねぇから仕方ないだろうが」


 あれから一向に起きる気配のないリーをベッドに寝かして、離れようとしたら裾を掴んで離さなかった。つーか、離そうとすると、泣きそうな顔になるからどうしようもなく、そのまま一緒に寝た。


「起こせばいいじゃないか!」


 無茶苦茶だな。オイ。


「お前ね、そんなに疲れてんなら無理して来なくていいんだぞ?」

「―――」


リーは一瞬目を見開いた。そして、そのまま俯いて口を噤んだ。その代わりにギュッと握った手が小さく震えてる。


「学校に教会の仕事を両立してるってだけでシンドイんだろ。別にオレは自分のことなら何とかなるんだよ。週末の休みにわざわざ……」

「ッ」


 無言で顔を上げたリーはこっちを思い切り睨んできた。その上、涙を溜めて、さっきとは違う意味で目も頬も赤くなってる。


「…………もうっ 来ないよっ!」


 自分の手で涙を拭うと、リーは部屋から走って出ていった。早とちりもいいトコロだ。

 怒らしたりするのは今が初めてなわけじゃない。『良くあること』なんだけど、放っておいて良いてことはない。時間も時間だ。外は陽が落ちて、暗くなり始めてる。


――――
―――
――



 どこへ行ったかなんてのは何となく解かる。

 セイル川の河川敷。

 どうもそこが『一人になりたい時』の居場所らしい。こうやって、怒らせた時は大抵そこにいる。


 そして、やっぱりそこにいた。


「リー」


 河川敷の草の上で膝を抱えて座り込んで、塞ぎこんでる。名前を呼んだ位じゃ返事なんてしない。これは今までの経験だ。こういうトコロは変わってないんだ。
 部屋から持ってきたリーのコートを頭からすっぽりと掛けて、ポンポンと頭を撫でた。


「上着も持たずに出て行くなよ。まだ寒いんだ、風邪ひくぞ」

「…………」


 反抗期みたいな拗ね方だな。人の話も最後まで聞かないで、その度にこうなるのはどうなんだ。片手じゃ数え切れないぞ。


「取りあえず部屋に戻るぞ」

「イヤだ。もう行かないっ」


 顔を伏せたまま、リーは投げやりに返してきた。

 何、ムキになってるんだか。


「風邪ひきたいのか? 此処は風が通るから寒いんだよ。それにもう暗いだろ」

「別に『来てくれ』なんて頼んでない」

「そういう問題じゃねぇ。我侭言ってんな。戻るぞ。もう立て」


 無理やりに腕を引いて立たせて、部屋に戻った。その道中、リーは全く何も喋らず、ただ、小さく嗚咽を洩らしてるのは聞こえてきた。


Crimson...Side storyの最初へ Crimson...Side story 12 Crimson...Side story 14 Crimson...Side storyの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前