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美咲推し!!
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演劇部バレンタイン公演-5

「ゴメンね!美咲.....」
私は思わず呟いた。
「えっ?何?」
「ううん....何でもない....」
私は美咲を抱きしめる手に力を込めた....

「麻里....何か話しがあったんじゃない?」
帰り道、美咲が尋ねてきた....
「えっ?別にないよ....」
「遠慮しなくてもいいのよ...なんとなくわかっているから....」
「美咲?」
「ゴメンね麻里...私..自分を変えるつもりはないよ....」
「えっ?」
「麻里...聞いていたでしょう....私はマイナスからのスタートなの....だから....みんなと同じだけやって....やっとゼロになるの.....」
私は黙って美咲の話しを聞いていた....
「だから...みんなの倍頑張ってやっとみんなに追いつくの....でも....それではセンターは務まらない....だから....みんなの三倍頑張らなければならないの....私は今の自分を変える事は出来ない....ゴメンね麻里....気苦労ばかりかけてしまって....」
「何言ってるの?そんな事気にしなくていいよ!」
私はそんな言葉しかかけられなかった.....

「マジでどうしよう....」
私は頭を抱え込んだ。美咲と部員達....どうしたらいいのだろうか....そんな時携帯が鳴った。
「ハイ...織田です....」
「あっ!松岡です.....」
電話は葵君からだった。
「どうしたの?こんな時間に....」
「美咲先輩の事で...どうしても話しておきたい事があって.....」
葵君からの電話は、今日美咲への不満を言っていた部員とファミレスの横のカラオケボックスに来て欲しい....というものだった。私はすぐに連絡をとり、カラオケボックスに向かった。私がカラオケボックスに着くと
「麻里!こんな時間に呼び出して何の用なの?」
既に彼女達は来ていた....
「スミマセン....こんな時間に呼び出して....先輩達にどうしても見て欲しいものがあって....」
葵君は頭を下げた。
「見て欲しいものって....」
私が言うと
「ついて来て下さい....」
葵君はカラオケボックスに入って行って、ある部屋の前に立った。
「見て下さい!」
部屋の中を見ると、美咲がひとりで歌い踊っていた....同じ曲を何度も....その曲は、昨日からダンスが変更された....美咲のダンスソロが追加されたのだった....しかし美咲はまだ習得しきれずにいた....美咲は何度も挑戦するのだが....その度に失敗していた....



「昨日...友達とカラオケに来て、偶然見かけたんです....」
僕が話し始めると、先輩達は我に返ったかのように僕の顔を見た。僕は美咲先輩の姿を見つめながら続けた....
昨日もこうして美咲先輩を見ていると、カラオケボックスの店長が訝しい顔をして近づいて来た。
「失礼ですけど....」
僕に話しかけてきた。
「スミマセン...僕....」
僕が答えようとした時偶然部屋の扉が開いて美咲先輩が出てきた。
「あれっ葵君じゃないの!どうしたの?」
「友達とカラオケに来てて、そしたら偶然美咲先輩の姿が見えたものですから....スミマセン友達が待っていますからこれで....」
僕はその場を離れた。
すると店長さんが話しかけてきた。
「彼女....AKBのオーディションを受けるのかな?」
「えっ?」
「ここのところ毎日来てるんだ....しかも予約まで入れて....そしてAKBの曲ばかりずっと....だから従業員の間で言っているんだよ!もし彼女がオーディションに合格したら....絶対彼女を推していこうってね....オーディションに合格するといいね!」
そう言って店長さんは去って行った。僕は勘違いしている店長さんに苦笑いしながらも毎日この時間もひとりで練習している美咲先輩に脱帽した....




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