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美咲推し!!
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演劇部バレンタイン公演-10

「ステージの上では、役の上下、ポジションは関係ない!自分が主役だと思いなさい!」
「ハイ!」
「それを忘れなければ、きっとあなたを輝かせてくれる!」
「ハイ!」
「自分の全てを出し尽くそう!!行くぞ!!我等...AKABANE....」
「24!!」
最後メンバーみんながそう叫んで、重ねていた右手を高々と突き上げた。みんなさっきまでの不安げな顔がウソのように気合い充分な顔をしていた。
「ありがとう...美咲!」
麻里がみんなが控え室から出て行って二人きりになった時、私に言った。
「お礼を言わなければならないのは私のほうだよ!」
「えっ?」
麻里は驚いたような顔で私を見ていた....
「あの時...わざと憎まれ口を叩いて私のやる気を引き出してくれた....本当に感謝してるよ!本当はもっと早くに言いたかったんだけどね....ありがとう麻里....」
「美咲.....」
「ヤダ...何泣いてるの?まだ早いよ....泣くのは公演を成功させてからでしょ!!」
「そうだよね!!」
麻里の顔に笑顔が戻った。「告白...上手くいくといいね!!」
「えっ?」
「するんでしょう?告白.....この公演が成功したら....」
「覚えてたの?」
麻里は恥ずかしそうな顔をしていた....
「麻里のためにも成功させるからね!!」
私は笑顔で麻里を見た。
「頼りにしてるよ!うちの自慢のセンター!!」
麻里は右手を握り締めて私の左胸に突きつけた。
「まかせて私に!!.....なんてね!」
それから二人で大笑いした....
「行こう!麻里!」
「うん!」
私達はステージに向かった。





演劇部の男子部員が控え室から出た後
「みんな、ちょっと待ってくれ!」
副部長の山根が呼びとめた。部員達が山根のまわりに集まった。
「みんな北原さんからもらったよな!チョコレート....」
「ハイ!」

美咲は男子部員一人一人にそれぞれ言葉をかけながらチョコレートを渡していた.....
「ハイ...バレンタインのチョコレート....今日....私達は全力でステージを盛り上げる....でも....もしも....もしかしたら....みんなを客席で晒し者にする事になるかもしれない....私のせいで......そんな事にならないように全力を尽くすからみんなもよろしくお願いね!」
そう言って渡していた....

「みんな北原さんの言葉を聞いてどう思った?」
山根は男子部員を見渡した。
「北原さんを...イヤ女子部員達をステージ上で晒し者にするわけにはいかないよな!男として!」
「ハイ!」
全員が声を揃えた。
「俺達に出来る事は彼女達をステージ上で孤立させないように声援を送るだけだ!本物のANBだって、彼女達を必死になって推すファンと、そんなファンの声援に応えようとメンバーが頑張ったから今があるんだ!女子部員達が頑張ったのは俺達が一番知っている!俺達がすべき事が何かわかっているなみんな!」
「ハイ!」
「俺達でステージを最高に盛り上げよう!!」
「ハイ!」
全員で返事をして男子部員達は彼女達は客席へと入っていった。




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