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なんてこと無いはずだった旅
【ファンタジー その他小説】

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幸運の神だと言うが”勘違いの可能性”ある-1

花の国 フェンデル

ザルツと呼ばれる地方内で最も古くからある国
魔法文明時代と言われた歴史の遺跡が,この国の側には多数あり
この国を”花の国”と呼ばれる理由が,この近隣の丘にある巨大遺跡群の花は年中咲き乱れているそうだ

それが”花の国フェンデル”だ

あと、大きな神殿があるそうだが,一度も顔を出した事は無い

理由は一つ俺が「神」だ

以上… 馬鹿げているとかいった奴,殴り飛ばすぞ

さて…始まった旅立ちだが,正直かなり戸惑っている,

何をすべきか分かりもしない,なにせもって勢いだけで始めた事だ

一匹の白い毛並みの色も淡い茶色の上着と,青い半ズボンを履いた一匹のタビットはこの門の前で一人惚けていた,元々やる気の無さそうな眠そうな目に更に力の抜けたような顔していた,先ほど始まった旅立ちに…実感が薄いせいか,サリフ・ビノは戸惑いがあった

この近隣には珍しい遺跡が並び好奇心は腹の底から疼いている
だけどもだ…やってみたい事があったんだ,酒の味が知りたい
飲んだ事はあるんだが,美味いと感じたことが一度も無い

美味そうにエール酒やビールをかっくらう姿は今まで幾らでも見てきたが,あんなものは冗談だろうと思っていた
今まで時折 仲間のタビットと共に飲ませてもらったことはあるが,タビットの成人は10歳ごろと言われている,現在9歳の俺はその丁度手前ながらに”酒”は”毒”と同じ物だと感じていた

※未成年飲酒はいけない事ですよ,言っておきますが

安宿に泊まれば,飲食込みで3日ほどは越せる金が手元にある

さて…と 

日が高く登っていた,空は透き通るほどに青い,ありがちな言葉で並べるがそれくらいしか浮かばん,だってそうなんだから

そんな真昼間でもやってる酒屋を探せばどこかにあるだろう,飲ませてくれる店がと思い歩いていた,華やかな街だった,人が行きかって景気のいい声が聞こえる

笑顔がある,活気がある,色んな人がいる,眺めているだけで退屈しない

冒険目的なんだろうなぁと一目で分かる様なのから,学者らしいのに
この辺りの遺跡を見に来た観光客にと色んな人種が集まってくる

時おり目に入るのが体の一部がやけに硬そうな人間,ルーンフォークと呼ばれるらしい
魔法文明時代といわれる時代に生まれた”人造人間”らしい

そしてしばらく歩いていき,一つ角を曲がると通りが狭くなっていく
そこもまた賑わいの渦の一つだった,露店に踊り子,大道芸人
感動の拍手,共感の関心,驚きへの歓声,笑顔 
子供の泣き声,叱責の怒声 角一つ曲がるだけで
声の距離が近い,それだけで感情の渦の一つに溶けた様な気分だった
声を出していない自分が,この中に居るだけでその一部に溶けるような

その通りを眺めているとそれだけで子供のような気分になれる

不思議な食べ物,奇妙な魔法器具
薬草,冒険用の道具の数々に,この街の名物である花

日が差している今なら,この道も明るく美しいとも感じる

だけど,歩くほどに並べられているランプの間隔が広くなっていく
そして人の通りもまばらになっていく
表通りの喧騒が遠くなっていく

どこにでもあるのだろうか,明るい場所と暗い場所はあるんだと知っていたけど

人の活気と輝きの大きさの裏にある冷たさも,きっとあるのだろうか…









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