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Crimson...Side story
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in ChristmasU-3

「ぎゃっ」


 腰に腕を回して抱き寄せると変な声を上げた。失礼だな。色気もなんもあったもんじゃねえし。


「お前オモシロイわ」


 モゾモゾと動くリーをより強く抱き締めて、赤い髪を指で梳きながら訊ねてみる。


「お前、クリスマスはどうしたいんだ?」

「え」


 言葉を詰まらせたのかリーは少し俯いた。暫く黙ってから、ボソボソと何かを言ったけど聞き取れない。

「何?」


 再度訊ねたら、グリグリと肩に頭を押し付けてくる。そして、いつの間にか背中に回されていたリーの両手が服をぎゅっと掴んでた。


「……神様でも叶えてくれないと思ってた。こっちに来てからずっと願ってた。……一度で良いからアークに会いたいって」


 リーはそのまま顔を上げて、目を細めて笑ってみせた。思わず息を飲んだ上に、目のやり場に困って視線を逸らした。

 不意討ちだ。クソ。

 跳ねた心臓の音が聞こえるんじゃないかってくらい激しく鼓動してる。思春期のガキじゃねーんだぞ。……落ち着け、オレ。
そんなオレの状態に気づいてる様子もないリーはフツーにさっきの問いかけに答えた。


「クリスマスは一緒に居たい」


 この期に及んでコイツはこんなことしか言わないのか。

 ……らしいっちゃ、らしいんだけどな。それに断る理由なんかないわけだから。


「いくらでも居てやるよ。オレで良けりゃな」





 願っても叶わない願いなら、望まない方がマシだと思う。だって、叶わないと気付いたときの絶望はえげつない程に残酷だ。
 それでも、そうだと解っていても願ってしまうのは心の弱さなんだろうか。子供の時分には解らなかったけれど…。
 けど、欲しくて欲しくてたまらなかったものを願ってからもう何年も経つけど、それで良かったと今なら思える。あの時は願っても手に入らない存在(もの)が今では傍に居てくれてるから。


 今日この日、巡り会わせてくれた神に生まれて初めて感謝した。



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