【ロケットパンチを君の胸に♪】〔第三部・最終編〕-12
それから、数年後…突如、宇宙から地球に…謎の電波が届いた。
『わっははは…わたしは、銀河・戦慄地球防衛軍【紅い幻魔団】の最高責任者…暗闇長官だ!』
そこには、宇宙生物と融合して奇怪な容姿になった…暗闇 五郎の姿があった。
『地球の悪は、この銀河・戦慄地球防衛軍が根絶やしにしてやる…覚悟しろ!』
世界中の悪の組織が、脅える中…ある、悪の組織が立ち上がった。
《そんなコトはさせない!地球の悪はあたしたちが守ってみせる!》
言わずと知れた…アットホーム秘密結社『フェアリー☆テール』だ。
地下に建造された艦橋のような場所で、最上段の席に座った。クリオネが言った。
《ついに、恐れていた日が来たわ…各員、配置について》
今や立派な、悪の幹部となった【テラミィス女将】こと、鈴美が艦内にマイクで指示を伝える。
「えーと、艦内のみなさんは…近くの座席に座ったら…シートベルトを締めて離陸に備えてください…ランプが消えるまでは、ベルトを外さないようにお願いします」
鈴美の隣には、先月フェアリー☆テール内の教会で挙式をあげた…幹部候補の涼華と、へ組の班長になった…戦闘員姿の龍彦が並んで座っている。
「いよいよですぅ…フェアリー☆テール宇宙へ進出ですぅ」
女子大生になった、怪奇・クモ女が言った。
近くには、月ノ輪クマ怪人のクマさんと、その奥さん〔人間〕と二匹のクマ型怪人の子供たちが、はしゃいでいる。
「おうっ、病気や怪我をした時はオレっちが、すぐに改造して治してやるぜぇ」
医療班責任者の柳川教授が、言った。
ペパーミント伯爵がいる…チョコパフェ生徒会長がいる…。
高校生になって、今はフェアリー☆テールの専属パイロットになった、翔がいる…。
『ボク…がんばる』
前方の分割された、艦橋のサブモニターに怪獣倉庫にいる【ミルフィーユ】の、愛らしい顔が映った。
「わたしとフォンリルも、涼華さんと一緒ならどこへでも行きます」
今は、修理されてフェアリー☆テールの怪ロボットとなった【ヨルムンガルド・β】と【フォンリル・γ】…。
みんながいる…そして、これからもずっと…。
艦橋の扉が開き…ラーメンのオカ持ちを持った、戦闘要員たちが。
「ヴィーッ」
と、叫びながら入ってきて、各自の前にラーメンの丼を置いた。
「まいどっ!『緋色屋』特製のスタミナ・ラーメンです。さあっ、景気づけに食べて…宇宙に飛び出しましよう」
今では、すっかり改心(?)して…ヒーロー業を廃業してからラーメン作りに精を出している、極神 狂介がさわやかに笑った。
フェアリー☆テール内に狂介が店長を務める…『緋色屋2号店』も、怪人や戦闘員たちになかなかの好評だ。
《さあっ!みんな、腹ごしらえをしたら発進よ!目的地は電波の送られてきた…銀河・戦慄地球防衛軍【紅い幻魔団】の本拠地…十番惑星『セドナ』へ!!》
クリオネ首領の、指示の中…怪人、怪獣、怪ロボットを乗せた悪の、弩級巨大要塞型宇宙戦艦『フェアリー☆テール』は大地を砕き…発進した。
華麗な悪の華を宇宙に咲かせるため…宇宙の悪の組織を守るために…。
【ロケットパンチを君の胸に♪】〔第三部・最終編…完結〕