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デパガあいり
【レイプ 官能小説】

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祈り-4



第二駐車場には、見慣れない白いセダンが一台だけエンジンをかけたまま停まっていた。


もしかしてあの中に、あいりが―――?


そう思うだけで、身体が媚薬でも飲んだかのように激しく疼き始める。


長く忘れていた突き上げるような欲望に、下半身が強烈な熱を帯びて勃ち上がってくるのがわかった。


今あいりの姿を見たら、この場に押し倒して、あの魅惑的な肉体に貪りついてしまうかもしれない。


そうなったらあいりは拒むだろうか。



いや、それを望んだからこそわざわざここまで会いに来たのではないか―――。



さまざまな思いが胸を駆け巡る。



深呼吸をし、ゆっくりと車に近づいて、スモークを張った真っ暗な窓ガラスをノックした。


「……あの、お待たせ……しました……」



一応敬語をつけ足して、様子を伺う。




一瞬の沈黙のあと、ガチャッと車の扉が開いた。



「………あ、あなたは……」


あまりに意外すぎて、目の前にいるのが誰か、判断するのに少し時間がかかった。


「……い…石原……バイヤー……?」


言い終わらないうちに、バチッという音と共にいきなり頬に鋭い傷みが走った。


「……いって……っ……」


あいりを思って能天気にのぼせていた頭が、いっぺんに目を覚ます。


「………あんた……あの人に……何をしたの?……」


「………えっ?」


言っている意味が全くわからない。


久し振りに見る石原理可は、以前よりかなりやつれ、目が窪んでまるで何かに憑りつかれているように見えた。


以前と変わらないセクシーなスーツを身につけてはいたが、一回り痩せてしまったせいか、肉感的な迫力は半減してしまったように感じられる。



「あんたが……一人でやったの?……それとも……藤本あいりと結託して……」


「ちょ……ちょっと待って下さい……。何のことかさっぱりわからへんのですけど……」


ぐいっとネクタイをつかむか細い手をゆっくりとほどきながら、三田村は真っ直ぐに理可を見つめ返した。


「人事にいる知り合いに聞き出したのよ……あんたが……出版社の男を連れて……人事部に脅しをかけに来たって……」


「……ああ……」


理可の言葉に、三田村はようやく事態を理解しはじめた。


退社の数ヶ月前、あの川瀬から預かったおぞましいUSBメモリを、三田村は直接人事部に持ち込んでいた。


はじめから会社は辞める覚悟だった。

塚田には、今から子供が出来るという時に仕事を辞めるべきではないとかなり説得されたのだが、これが唯一、自分があいりにしてやれることだと思ったのだ。


結局塚田は、次の就職先を自分が世話するという条件付きで、力を貸してくれることになった。


本当は就職先は自分で探すべきだと思っていた三田村だったが、今となってはやりがいのある仕事を紹介してくれた塚田に心から感謝している。




大昭出版の編集長という塚田の名刺は、三田村の想像を遥かに超えた威力を発揮した。


「ワシは警察やないし、あんたらを罰することはでけへん。せやけど厄介なことに、人一倍正義感が強いねん。しかも被害者の一人はワシの部下や――――このセクハラ問題を適切に処理せえへんいうんなら、この動画の内容全部、うちの週刊誌に事細かに書かせてもらいまっせ」


塚田の言葉に、人権問題を担当しているという中年の女性社員は、いっぺんに青ざめた。


それから後は、驚くほど迅速に話がすすんだ。


「真ちゃんは辞める必要ないで」


塚田には最後までそう言われたが、あいりの元から消えることが、自分の慶子に対する精一杯の誠意だと思った。










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