それぞれの行き着く場所-14
「……ゴメン……」
「………三田村くん………」
外に出したからといって妊娠の可能性はゼロという訳ではないことは、あいりにもわかっていた。
しかし、気持ちがどうしても納得いかない。
三田村が、いつも避妊しているというならば諦めもつくが、坂田会の時、高田直美は三田村が中に射精したと言っていた。
そして、三田村の婚約者は今妊娠しているという。
それならば何故自分はダメなのだろう。
三田村にとって自分は、何なのだろうか。
「じゃあ……教えて……?私のこと……どう思ってるの?」
感情に任せて、聞いてはならない質問が口をついて出てしまっていた。
「………えっ………」
三田村が明らかに狼狽した表情を見せる。
「ただ……手軽に女を抱きたいから……だから……私のところに来たの……?」
こんな怨み言を言うつもりではなかったはずなのに、どうしても自分を止められなかった。
「私が……汚れた……オモチャみたいな女だから……」
「違う――――!」
怒っているのではないかと思うくらい強い口調で、三田村があいりを遮った。
「――――好きや」
「………えっ………」
「………本気で好きや……って、気づいたから……せやから来たんや」
ためらいながらもハッキリと言い切った三田村の言葉に、あいりは耳を疑った。
「……俺は………大阪帰って彼女と結婚するって決めた。せやから……この気持ちは、絶対言うたらアカン思てた。……でも……もうここまできたら……同じや」
三田村は覚悟を決めたように、真っ直ぐにあいりを見つめている。
その瞳の中に、深い哀しみの色が浮かんでいることに、あいりはこの時初めて気がついた。
「……好きや………あいりちゃん……どうしようもなく……好きやねん……」
さっきよりも少し強引な手つきであいりの足を開く三田村。
濡れた蜜穴にぐいっと押し付けられた熱いぺニスには、やはり律儀にコンドームが装着されていたが、もう悲しくはなかった。
「ほんまに……ずっと……こうしたかってんで……」
三田村の熱い肉が、あいりの内部を切り裂くように、真っ直ぐ入ってきた。
「はあっ……あぁっ……」
ミチミチと閉じていた粘膜がこじ開けられ、硬いモノで満たされていく。
下半身全体で感じる三田村の男性。
それは今まで経験したどんな相手のモノよりも官能的に感じられた。
「ああ………あいりちゃん中……めっちゃ…気持ちええ……」
ぐうっと一気に奥まで差し込んだところで、三田村が一旦動きを止める。
動きが止まったことで、逆に下半身を埋める肉塊の存在感がありありと感じられ、「繋がっている」という実感がこみ上げてきた。
お互いの温もりを確かめあうように、繋がったまま唇を重ね、身体をまさぐりあう。
『私、今――本当に――三田村くんと―――』
狂おしいような気持ちになりながら、夢中で舌を絡ませ、膣壁全体で三田村を抱きしめた。