雅江の肉体-1
健太郎は前もってホテルは調べておいた。その中でも人気のホテル、そして評判のいい部屋をさりげなく選んで雅江を連れ込んだのだ。
「わぁ、綺麗…。今のホテルってこんなにお洒落なの…?」
「あんまりしょぼい部屋じゃ広野さんみたいないい女を抱くのに失礼ですからね?」
背後から抱きしめながら言った。
「そんな大した女じゃないから、私…。」
「いい女ですよ。」
ついつい健太郎の腕にそっと手を添える。
「私、いけない事しようとしてる…。」
「いけない事かどうかは、終わった後に分かりますよ、きっと。」
「そうかな…。」
背後からギュッと抱きしめられていると、少しずつ不安も消えて行く。
「好きだよ…雅江…。」
「あ…」
雅江と呼び捨てにされ、胸がドキンドキンしてしまう。
「ずっとずっと雅江を抱きたかったんだ。もう敬語は使わないよ?雅江とそういう仲になりたいから…。」
「うん。雅江って呼ばれて、何か…嬉しいよ…。」
「雅江…」
振り向いた雅江の唇を奪う。
「んん…」
健太郎の唇の感触に体が熱くなる。重なる時間が過ぎる程、段々と濡れてきてしまう。キスだけで濡れてしまう程、雅江にとって刺激的なのだ。
次第に体は対面し、抱き合いながらキスは熱くなる。舌と舌が絡まると、雅江はすっかり女を取り戻していた。
(もう後戻りしたくない…。私、川田君とセックスしたい…。)
そう思った瞬間、雅江は積極的に舌を絡め始めた。
(事務所でオナニーする程エロいくせして。さっさとヤラせりゃいいんだよ、雅江。)
半年間、積もりに積もった雅江への欲望に、健太郎は興奮が止まらない。